“ふわふわ”は何なの? 「特殊マイク」の世界 ガンマイク、バウンダリーマイク… | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“ふわふわ”は何なの? 「特殊マイク」の世界 ガンマイク、バウンダリーマイク…

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カラオケなどで使う機会が日常にあるマイク。その中でも今回は特殊なマイクについて、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。

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 コンサートやラジオ・レコーディングスタジオの収録風景では、たくさんのマイクが並び、その見た目まで「カッコいい!」と思う人もいるかもしれません。一方、テレビドラマの撮影現場や演劇の舞台などでは、声を拾うマイクは、“見切れる”(見えてはいけないものが見えてしまう)ことがないよう隠されているのが一般的です。

 そういった現場では、「ガンマイク」と呼ばれるような特殊なマイクが使われています。ショットガンマイクとも呼ばれますが、その名の通り、ショットガン=狙撃銃に似た形状をしていることが名前の由来とされています。テレビのロケで見かけたことがある人もいるでしょう。

ガンマイク

 ラジオ関西(神戸市中央区)には、SENNHEISER(ゼンハイザー)社の「MKH416」というガンマイクがあります。ラジオの現場では、公開放送などを行うときにお客さんの拍手や笑い声を収録したり、外で環境音やSE(効果音)を収録したりするのに使用しています。マイクスタンドに立てて使うこともありますが、テレビのロケでは、釣り竿のような専用のブームポールにつけて使う場面が多く見られます。

 ふわふわしたもの自体はマイクではなく、ウィンドスクリーンという、風のノイズをカットするガードです。ガンマイク本体は、細長い形状をしています。 またガンマイクには、野外での収録時、車などによるノイズを抑えられるよう、低周波をカットする機能や、特定の範囲だけを収音する鋭い指向性があります。さらに、電池で使えるもの、 カメラ、一眼レフに取り付けられるようになっているものもあります。

 変わったところでは、「バウンダリー・マイクロフォン(Boundary-Layer Microphone=BLM)」があります。BLMは、床や壁面、大きな机の上などに張り付けるようにして使われるマイクです。平たく目立ちにくい作りになっていて、舞台やテレビのセットなど、マイクを見せたくない、写り込ませたくない場所で使うには便利です。内部には無指向性のコンデンサー・マイクが埋め込まれています。

バウンダリー・マイクロホン(写真提供 有限会社 ユーズグループ)

 他にも、YouTubeなどで話題のASMR(※1)動画の収録でよく使われている「ダミーヘッドマイク」は、人間の顔の形のマイクです。人間の耳と同じ位置にマイクを設置しています。これと同じく、より立体的で臨場感のある収音を目指して開発されたのが「球体マイクロフォン」。19個のマイクで360度の音を収録できる機種もあります。


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宛先⇒ 〒650-8580 ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』係



【放送音声】2022年2月27日放送回

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