阪急電鉄(本社・大阪市北区)が、次に到着する列車の車両ごとの混雑状況を駅ホームの「デジタルサイネージ(電子看板)」で表示する実証実験を始めた。
新型コロナウイルス禍が長期化する中、すいている車両に乗客を誘導することで「密」回避につなげる。

東京工業大と共同で、神戸線の中津駅(大阪市北区)と十三駅(同市淀川区)間で3月末まで実施する。
手前の駅に設置した装置で、出発または通過する列車の乗客が持つスマートフォンの近距離無線通信「ブルートゥース」の電波を取得し、人工知能(AI)で解析することで混雑状況を把握するシステム。 この実験で実際に車両の混雑回避につながったかなどを検証する。

神戸三宮駅(神戸市)方面への列車を対象に、中津駅に設置した機械で携帯電話の電波を通じて乗車人員を推定し、隣の十三駅に設置した電光掲示板に混み具合を表示する。
車両ごとに「かなり混んでいます」「少し混んでいます」「座席に座れる程度です」など5段階に色分けして表示。列車が到着する前に乗りたい車両を選びやすくする。

阪急電鉄は「コロナ禍で密を避けたい要望が増している。効果を検証し、利用者の利便性が向上する仕組みを考えたい。同時に、ダイヤ改正などにもデータを生かせる」としている。