中国陶磁器の色彩の歴史 白鶴美術館春季展 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

中国陶磁器の色彩の歴史 白鶴美術館春季展

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 中国陶磁器のコレクションで世界的に知られる神戸市東灘区の白鶴美術館・本館で、「モノクローム」と「色絵」という色彩の対照性に焦点を当てた2022年春季展「白鶴コレクション探訪」が開催されている。2022年6月5日(日)まで。

 白鶴美術館のコレクションの柱のひとつである中国陶磁器。2022年春季展ではその色彩に焦点を当て、50点余りを展示する。

 モノクローム作品の代表格と言えるのが北宋時代の名品で、重要文化財に指定されている「白地黒掻落龍文梅瓶(しろじくろかきおとしりゅうもんめいびん)」。白地に黒釉(こくゆう)をかけ、まるで彫刻のように黒釉をかき落として龍を「残していく」と、白と黒のコントラスト迫力ある姿が浮かび上がる。この技法の原点には白い器への憧れがあったと言われる。また所々色が変わっているところもある。補修の痕だという。白鶴美術館の学芸員は、「作り手の存在が感じられ味わい深い」と話す。

 一方、明時代になると、陶磁器は一気に華やかに色彩が豊かになる。「五彩武人図有蓋壺(ごさいぶじんずゆうがいこ)」は、赤を基調とし、人の手で描かれたとは思えないような緻密で繊細な模様の他、人物などの表情や動きにも注目したい。同館学芸員は「この時代になると色が使えることの楽しさが作品から伝わってくるようだ」という。

 作品は、時代ごとに分けて展示されている。色彩がどのように変化したのかはもちろん、中国陶磁器の奥深さを楽しむことができる。

白鶴美術館

◆白鶴美術館2022年春季展 白鶴コレクション探訪
 「中国陶磁編 -モノクロームの世界+色絵の世界-」
会場 白鶴美術館 本館(神戸市東灘区住吉山手6-1-1)
会期 2022年3月5日(土)~6月5日(日)
休館日 月曜 ※3月21日(月・祝)は開館、22日(火)は休館
電話 078-851-6001
入館料 大人600円 大学・高校生400円 中・小学生200円(4月22日までの料金)
(4月23日からは新館で「春季展 ペルシア絨毯編」開催のため、入館料が変更となる)
【白鶴美術館 公式HP】

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