3月11日、東日本大震災から11年を迎える。地震大国・日本。日本およびその周辺で人間の体で感じる地震(震度1以上の「有感地震」)は、1年間に1000~2000回程度あるという。単純に換算すると、1日あたり3~6回起きる。(※公益社団法人・日本地震学会が2001年~2014年の有感地震の数を参考に計算。有感地震がない日が続くこともあり、1日に多数の有感地震が発生することもある)。
1993(平成5)年の北海道南西沖地震を機に震度観測点が倍増した。さらに1995(平成7)年の阪神・淡路大震災後に震度観測が全国的に広がり、気象庁のシステムと接続された結果、気象庁が発表する有感地震の数は、1995年以降増える傾向にある。とりわけ東日本大震災が起きた2011(平成23)年は、その余震も含めて地震活動が特に活発で、有感地震の数は、10,681回(1日平均30回)にのぼった。
さらに地震計に記録されるが人体では感じない程度の地震、「無感地震」を含めると、年間で10万回近くの揺れにさらされていることになる。「無感地震」はかつての 気象庁旧震度階の震度は0(零)で表示されていた。
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地質や地震の研究を続ける「はりま地盤・地震研究会」代表で日本地震学会・会員の西影裕一さん(兵庫県姫路市在住)は写真集「2つの大震災から何を読み取るか」(2015年)、防災テキスト「自然災害で被害なんかにあいたくない!」(2021年)などを自費出版している。
阪神・淡路大震災からも四半世紀以上が過ぎ、「気をつけているつもり」「理解しているつもり」の私たちに、各自が住む土地の状態について、あまりにも無知であることを、年間数多くの講演や学習会を通して警鐘を鳴らす。
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家屋の倒壊はどの地震でも起きたが、被害状況とその原因はそれぞれ異なる。 1923年(大正12)年に起きた関東大震災の被害は火災によるものだった。阪神・淡路大震災では家屋・家具の倒壊によるもので、東日本大震災は大規模な地殻変動による津波だった。