女子サッカーのプロリーグ・WEリーグが3月5日から再開。首位を走るINAC神戸レオネッサは5日の第12節ちふれASエルフェン埼玉戦で1-1とドロー。勝点を26としたものの、暫定2位のマイナビ仙台レディース(勝点19)との差は7に縮まった。
ただし、この一戦では、先発出場し、攻撃的なポジションでプレーした元なでしこジャパンMF阪口萌乃選手が、鮮やかなミドルシュートで、WEリーグでの初ゴールを記録。経験豊富なオールラウンダーが、チームに明るい光をもたらした。
ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)3月7日放送回で、新コーナー『ガクトとなっちゃんが選ぶ前節MVP!』に選ばれた阪口選手は、同番組に電話出演。試合を振り返るとともに、番組パーソナリティーで元Jリーガーの近藤岳登らとトークを展開した。
EL埼玉戦でのゴールについては、「あの形は練習でもあった。タカさん(髙瀬愛実選手)の声で『スルー』とあったので、自分でもターンはできたんですがスルーして、パッと前を向いた瞬間に足元に出してくれたので、いいタッチになったかなという感じですね」と振り返った。
試合後の会見で星川敬監督から「チーム内で一番テクニックのある選手。中盤の選手だが、FWの動きもでき、他の人をいかすところを持ち味としている。点数も取ってくれたので、阪口に関してはよくやってくれたと思う」と評価されていた、阪口選手。実際に指揮官からも「仕事はしてくれた」と声をかけられたそう。
ただし、「チームとしてよくなかったのでその部分の方が……」と、勝ち切れない悔しさを吐露。「コロナの関係でなくなっちゃった試合もあったりしたので、みんな90分(フルの)試合をすることがないまま、公式戦(後半戦)に入ったので。うまくいっていた部分があまり出てこなくて、逆に気にしていた部分がかなり出てきちゃった試合でした」と、コロナ禍や長期間の中断期間もあって、リーグ後半戦再開初戦の難しさを痛感したようだ。
一方、ボランチ、左サイドバック、左サイドハーフ、トップ下と、様々なポジションを経験したことがある阪口選手。どのポジションがやりやすいかという質問には、「基本はボランチが多いので、感覚的にはやりやすいのかなと思うんですが、高校2年生の半分くらいまではトップ下とかも多くやっていたので、前で自由にやるのはけっこう楽しいです」とコメント。今回のEL埼玉戦でも、攻撃センスをいかした動きには目を見張るものがあった。
さらに近藤から、「ボールの受け方やコントロールの仕方など、常に矢印が前に向くプレーをするから、コントロールした次のタッチでスルーパスも出せる。そういうのは得意じゃん? あれって意識してないの? コントロールでここに置くとか」と聞かれると、阪口選手は、「意識はしていますね、次のプレーがしやすいように。基本、見えたままに、『あ、ここチャンス』って思ったら(パスを)出しちゃいます」と回答。
アンドレス・イニエスタ選手(ヴィッセル神戸)のプレースタイルに似ているのではと近藤から評価されていた阪口選手。以前はほかのサッカーの試合を全然見ていなかったというが、最近は「あっ、こういうのもあるのか」と、海外の選手たちのプレーなどを参考にするようになったと語る。