芸人も被害…「自転車のタイヤの空気を抜くイタズラ」は犯罪? 弁護士が解説「窃盗罪が成立しそうですが…」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

芸人も被害…「自転車のタイヤの空気を抜くイタズラ」は犯罪? 弁護士が解説「窃盗罪が成立しそうですが…」

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「今日自転車の前輪後輪両方の黒チョボと大切なネジ抜かれて空気0(ゼロ)にされました。」

 そうツイートしたのは、吉本所属の若手コンビ、ダブルヒガシの大東翔生さん。自転車のゴムキャップとバルブを抜かれ、タイヤの空気がなくなっていたといいます。さらに相方の東良介さんも過去の被害写真を載せ、「難波ってあんねん」と大阪の繁華街・なんばで同じイタズラの被害にあった過去を明かしました。

自転車のタイヤの空気が抜かれるイタズラ、どのような犯罪に?

 2人のような被害に遭った経験のある方も多いと思われますが、このイタズラ、法律上はどのような問題が発生するのでしょうか。「かなえ法律事務所」(神戸市中央区)の森本圭典弁護士に聞いてみました。

・ ・ ・ ・ ・

◆民事上の責任

 自転車の部品を取られていますので、取られた部品の返還を求めるか、部品相当額の損害賠償請求をすることになります。もっとも、自転車の空気入れのゴムキャップとバルブの金額としては、せいぜい数百円ほど。そのために盗んだ人を探すとなれば、労力や費用の方が高くなるでしょう。

 では、自転車を使えなかったことにより、大学受験に間に合わなかった、仕事の取引に遅れたといった事情があった場合、部品代を超えて高額の損害賠償請求ができるでしょうか。損害賠償が認められるのは、相当な範囲の損害に限られるとされています。無限に損害の範囲を認めてしまうときりがないためです。本件ですと、自転車の部品を取ったことで、大学の受験に遅れるや仕事の取引に遅れるといった損害が発生すると予想することは難しいので、高額の損害賠償請求はおそらく認められないでしょう。

◆刑事上の責任

 自転車の部品を盗んでいるので、窃盗罪が成立しそうです。確かに、自転車のゴムキャップとバルブが欲しくて自転車から盗んだ場合には窃盗罪が成立するでしょう。では、自転車のゴムキャップとバルブが欲しいのでなく、単に自転車の空気を抜きたかったというイタズラ目的でとった場合にも窃盗罪が成立するのでしょうか。



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