浪江町から双葉町、大熊町に入ると、「この先 帰還困難区域につき通行制限中」という看板が目立つようになった。その横には開閉式の柵と警備員の姿。あたりを見回すと地震で壊れたまま放置されている住宅や商店、取り壊されている途中の家。あちこちに地震の爪痕が残る。震災から11年たった今も、手付かずの状態の所がたくさんあった。慣れ親しんだまちに帰ってきた人、帰りたくても帰れない人、帰りたくない人……。被災した人の思いや事情は様々だ。
復旧・復興は確かに進んでいるのかもしれないが、現実にはあれから時が止まっている所がたくさんある。そうした現実は、被災地から遠く離れた関西ではなかなか見えてこない。真の復興はいつになるのか。11年たった被災地には復興の光と陰が横たわっている。