宮城・福島で震度6強、東日本大震災とは異なるメカニズムか 日本地震学会・西影裕一さん | ラジトピ ラジオ関西トピックス

宮城・福島で震度6強、東日本大震災とは異なるメカニズムか 日本地震学会・西影裕一さん

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 16日午後11時36分ごろ、福島県沖を震源とする地震があり、宮城県登米市、福島県南相馬市、相馬市などで震度6強の揺れを観測した。
 気象庁によると、震源の深さは57キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.4と推定される。宮城、福島両県には津波注意報が出され、宮城県で最大30センチの津波を観測。東北新幹線では宮城県白石市の福島―白石蔵王間を走行中の「やまびこ223号」17両のうち16両が脱線した。国土交通省によると、乗客・乗員は78人でけが人はいないという。

 宮城、福島両県では、1年あまり前の2021年2月13日、福島県沖を震源とする地震(M7.3)が起き、震度6強を観測した。
日本地震学会・会員として地質や地震メカニズムを調査している西影裕一さん(兵庫県姫路市在住)は、2021年2月の地震と同じメカニズムで発生したとみている。西影さんに聞いた。

気象庁は今後1週間、震度6強規模の地震が起きる可能性があると警戒呼びかける(2022年3月17日午前)
気象庁は今後1週間、震度6強規模の地震が起きる可能性があると警戒呼びかける(2022年3月17日午前)

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 2011年の東日本大震災は、日本列島の地下にある北アメリカプレートの下に潜りこんでいる太平洋プレートの境界(地下24キロ)で発生したが、2021年2月の地震は地下55キロ、今回(16日)の揺れは60キロと深い所で発生している。この位置は太平洋プレート内部であり、今回の地震も太平洋プレート内での破壊により発生したとみられ、地震発生のメカニズムは東日本大震災と異なると考えられる。

 震源が浅いと揺れる範囲は狭くなるが、被害は大きくなるという、地震の構造も、改めて認識することが必要だ。
M7以上の大地震やその余震は数十年もの間起きる。1891年の濃尾地震(M8.0)や1943年の鳥取地震(M7.2)の余震は小さいが、今も起こっている。2004年に起きたインドネシアのスマトラ島沖地震(M9.1)は史上最大級の地震で、これまでにM7以上の余震が9回起きている。今回と同規模の余震はこれからも続くとみられ、引き続き気を引き締めていかねばならない。

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東北新幹線も脱線 震度6強地震(2022年3月17日午前)
東北新幹線も脱線 震度6強地震(2022年3月17日午前)

 この地震で、首都圏では東京都内や横浜市内などの広範囲で一時停電が発生した。17日朝までに解消し、在来線はおおむね平常通りの運行で大きな混乱は見られなかったが、通勤客らは「東日本大震災を思い出した」と被災地を気遣いながら不安そうに勤務先へ向かった。

 気象庁は17日未明の会見で、今後1週間は最大震度6強程度の地震が発生する可能性があるとして注意を呼びかけた。

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