兵庫県の但馬地方、豊岡市にある出石町(いずしちょう)がいま注目を浴びている。「但馬の小京都」と呼ばれる城下町。国内最古級の時計台「辰鼓楼(しんころう)」を筆頭に、明治期の趣を今に伝える芝居小屋「永楽館」、全国の土木建設業の信仰を集める「出石神社」など、数々の名所を擁する。また、名物「出石そば」も有名だ。
そんな出石をよく知る人物の一人、豊岡市の元職員で地元観光ガイドの加藤勉さんが、ラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西、木曜午後1時~)に出演。番組パーソナリティーである劇作家・演出家の平田オリザさん(豊岡市在住)らとともに、出石町についてトークを繰り広げた。
1968年(昭和43年)、(現在の)豊岡市役所に入庁した加藤さんは、長年出石町の観光部門を担当。退職後は観光協会に所属し、地元の人から「カトベン」の愛称で親しまれている。
名物のそば(蕎麦)を提供する店は、加藤さんが着任した当時は2軒ほどだったというが、店主らと知恵を出し合い、小皿に分けて提供する「皿そば」スタイルを考案。地元で作られる磁器「出石焼」や江戸時代の風情を残す「町並み」などを掛け合わせることで人気を高め、今では約50軒を数えるまでに。出石は、年間100万人が訪れる“観光のまち”となった。
また、加藤さんは、全国的にも珍しい“しゃべるゆるキャラ”として有名な「玄武洞の玄さん」の生みの親でもある。
「あれはねぇ、失敗作なんですよ。プレスリリース後の歓談でうっかりテレビ取材にしゃべっちゃった。次の日の朝礼で職員に『明日から玄さんはしゃべります!』と通達しました(笑)」(加藤さん)
現在は、出石町の観光ガイドとして活躍する加藤さん。ガイド依頼の受け付けなどまちづくり事業をさまざま展開する「出石まちづくり公社」には、年間600~700件のガイド依頼があり、6~7人の観光ガイドが業務にあたっている。季節や天気を考慮したフレキシブルな提案に、観光客の反応も上々だ。
【「出石まちづくり公社」公式サイト 】
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp