みんなで力を合わせれば、どんな困難だって克服できる! と1作目から頑張ってきた仲間たちが、より高いハードルをなんとかクリアするために、お互いの良いところを伸ばしあい、ウィークポイントをカバーし合う。お互いを信じ、夢に向かって努力するさまには勇気づけられるし、パワーももらえる。
前作では、フランク・シナトラ、テイラー・スウィフト、レディー・ガガらの、60を超す曲の数々がスクリーンを彩った。今作も、アリアナ・グランデ、エアロスミス、ジャスティン・ビーバーらのヒット曲が40曲以上。ラストシーンに流れるのは、今回のために書き下ろされたU2の2年ぶりの新曲「Your Song Saved My Life」。これが聴きもの。またなんと、メンバーのボノがクレイの声を当てている。そして、その吹き替えをB’zの稲葉浩志が担当しているというのも大きな話題だ。
声のキャストは、前作に続いて有名どころが顔をそろえる。《( )内は吹き替え版》バスター・ムーン役にマシュー・マコノヒー(内村光良)、象の歌姫・ミーナをトリー・ケリー(MISIA)、パワフルヴォイスの地元のロック歌手・ハリネズミのアッシュをスカーレット・ヨハンソン(長澤まさみ)、ギャングの息子でダンスの苦手なゴリラの歌手、ジョニーをタロン・エガートン(スキマスイッチの大橋卓弥)、ブタのエンターテイナーのグンターをニック・クロール(トレンディエンジェルの斎藤司)、元スター女優でニュームーン劇場の後援者・ナナをジェニファー・ソーンダース(大地真央)、ショービズ界の凄腕のドン、ジミー・クリスタルをボビー・カナヴェイル(大塚明夫)など。
そして、続編で新登場したキャラクターの吹き替え配役も絶妙だ。ミーナの初恋の相手のアイスクリーム屋・アルフォンゾをSixTONESのジェシーが、オオカミのポーシャをBiSHのアイナ・ジ・エンドが演じるなど、若いファンへの配慮も行き届いている。
吹き替え版の歌唱シーンも、まるで違和感がない。製作の際、キャラの口の動きに合うように訳詞を考え、言葉選びにもこだわったのだという。いいものを作るためにはあらゆる努力を惜しまない、という日本側のスタッフの熱意と意気込みが本国にも伝わったからこそ、世界で唯一、全編吹き替え版の制作が認められたのだろう。
イルミネーションの創設者でCEOのクリス・メレダンドリは、今作もジャネット・ヒーリーと二人で製作を務めている。脚本と監督のガース・ジェニングスも前作と同じメンバーだ。
アクロバットにワイヤーアクション、ミュージックショーの舞台も、より豪華にスケールアップ。ファンの望むような、いやそれ以上のものを生み出し届けていく制作陣の姿勢は、今後、イルミネーションと任天堂が共同で制作する「スーパーマリオ」のアニメ映画にも活かされるはず。どんな仕上がりになるのか、大いに期待したいところだ。(増井孝子)
『SING/シング:ネクストステージ』
2022年3月18日(金) TOHOシネマズ梅田 他 全国ロードショー
■配給:東宝東和
■監督・脚本:ガース・ジェニングス
■製作:クリス・メレダンドリ、ジャネット・ヒーリー
■キャスト:マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、スカーレット・ヨハンソン、タロン・エガートン、トリー・ケリー、ニック・クロール 他
■新キャスト:ボビー・カナヴェイル、ホールジー、ファレル・ウィリアムス、ニック・オファーマン、レティーシャ・ライト、エリック・アンドレ、チェルシー・ペレッティ、ボノ(U2)他
■日本語吹替キャスト:内村光良、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥(スキマスイッチ)、斎藤司(トレンディエンジェル)、大地真央、坂本真綾、田中真弓
■日本語吹替新キャスト:稲葉浩志
■提供:ユニバーサル・ピクチャーズ
■上映時間:1時間52分
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