「こたつのある映画館」が休館に 兵庫・但馬地域の文化拠点を襲ったコロナ禍 継続への道を模索 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「こたつのある映画館」が休館に 兵庫・但馬地域の文化拠点を襲ったコロナ禍 継続への道を模索

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 兵庫県の但馬地域唯一の映画館「豊岡劇場」(豊岡市)が、今年8月末で休館することが決まった。同劇場代表の石橋秀彦さんがラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西、木曜午後1時~)に出演。閉館の経緯について語った。

 豊岡劇場は1927年に開業。大衆演劇の芝居小屋からスタートし、社交ダンス場としても親しまれた。戦中は軍の倉庫として接収。昭和40年代からは、映画館と大衆文化の場として地域住民に愛されてきた。

豊岡劇場

 2012年に一度閉館したが、石橋さんが経営する石橋設計が土地と建物を購入。リノベーションを経て2014年に復活した後は、こたつを導入したユニークな会場づくりや歴史的建造物としての価値の打ち出しなど、但馬地域の文化拠点としての役割を果たしてきた。

 リニューアル後は順調に入場者数も増えた。2019年は、全国的に映画館の興行収入が好調だったこともあり黒字経営目前だったが、コロナ禍に見舞われた。客足は半数に落ち込み、様々な策を講じたものの8月から休館という決断を下すこととなった。

「地方で映画館を存続させていくことがいかに難しいか、痛感させられました」(石橋さん)

豊岡劇場代表の石橋秀彦さん

 そして、番組パーソナリティーで、2019年に豊岡市に移住した劇作家・演出家の平田オリザさんが「うちの劇団員や私自身も、家族でよく利用させていただいた映画館です。民間での単独運営は難しい、かといって行政主導になると制約も増える。街にとって映画館は文化度のバロメーター。うまく公的資金を入れながら民間の自由さを保つかが大切。再生のための休館であってほしい」述べると、石橋さんも「90歳のおばあちゃんも行ったことがある、という『豊劇ブランド』を大事に、映画上映だけではない『体験』や『場』を共有できる場を、なんとか次の世代に残したい」と語った。

 石橋さんは劇場の管理に徹し、上映運営母体を募集するなどして継続への道も模索中だ。

豊岡劇場代表の石橋秀彦さん(写真中央)と、番組パーソナリティーの平田オリザ(同右)、田名部真理(同左)

【豊岡劇場公式サイト】



※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

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平田オリザの舞台は但馬 | ラジオ関西 | 2022/03/24/木 13:00-13:25

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