塩野義製薬（本社・大阪市中央区）が開発している新型コロナウイルスの飲み薬（経口薬）について、後藤厚生労働大臣は25日、薬事承認されれば、速やかに100万人分の供給を受けることで基本合意したことを閣議後の会見で明らかにした。国内企業が開発した軽症者向け飲み薬の購入は初めてとなる。
後藤大臣はさらに、「実用化されれば軽症者への治療の選択肢が広がる」と期待感を示した。100万人分の供給を受けてからも、一定数を購入することで合意締結したという。
塩野義製薬は2月25日に厚労省に薬事申請し、迅速な審査が可能な「条件付き早期承認制度」の適用を希望しており、現在審査が進められている。
塩野義製薬によると、開発している飲み薬は、新型コロナウイルスの感染初期に1日1回、5日続けて服用するもの。国内で行っている最終段階の治験で、ウイルスを減少させる効果が確認され、重い副作用はみられなかったという。
承認されれば、国内の企業では初めての軽症・中等症患者向けの飲み薬となる。
