世界に愛される「レコード針」 兵庫・但馬で独自技術が生み出す逸品 地域が世界とつながる時代

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 兵庫県の北部・但馬地域の新温泉町に、世界100か国以上へ向けて「レコード針」を輸出している企業がある。日本精機宝石工業株式会社(略称JICO、以下 ジコー)だ。このたび、社長の仲川幸宏さんがラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西、木曜午後1時~)に出演。モノづくりに適した但馬の風土について語った。

レコード針(写真提供:JICO)

 前身の「仲川製針工業」は、1873年(明治6年)布団などを閉じる縫い針の製造を主として創業。1949年(昭和24年)からは、蓄音機用鋼鉄針の製造販売も開始した。

JICO 日本精機宝石工業 本社(写真提供:JICO)

 1980年代、アナログレコードの最盛期を過ぎ、CDが普及すると売り上げは減少。しかし、海外の需要は日本のような速度では減退しなかった。歯科用の切削バーや、加工現場でなくてはならない計測ツール「ゲージコンタクト(測定子)」など、自社の技術をいかした製品を展開する傍ら、「世界で一人でもお客様がいる限り、レコード針の製造を続けていこう」という先代の言葉を守り続けた。

MORITA黒柿(写真提供:JICO)
MORITA牛殺(写真提供:JICO)

 現在は、「BtoC」(企業が、商品やサービスを一般消費者に直接提供する仕組み)サイトも設けている。製造する2200種の針は、今も職人が手作り。世界100か国以上に向けて販売し、世界のレコード愛好家から絶大な支持を受けている。中国など大陸への進出も考えたが、地元への貢献、雇用の創出を先代が強く望んでいたこともあり、本社工場は今も新温泉町に置いている。

 仲川さんによると、但馬地方はモノづくりに適しているという。

「レコード針を作る部屋の空気はピンとはりつめています。白衣を着て、顕微鏡を見ながらピンセットをあやつって、さながら外科手術のようなんです。静かなので、職人も集中しやすいのではないでしょうか。『この技術で食っていく』という時代でもなく、人口減による人手不足はもちろんありますが、なんとかやっていけています」(仲川さん)

 ジコーの本社工場を訪れたことがある番組パーソナリティの平田オリザさん(劇作家・演出家、2019年に豊岡市へ移住)は、その環境に感激したそうで、「こんな『輝く企業』が但馬にあるのは本当に素晴らしい。豊岡演劇祭では、休憩ポイントとしてぜひJAZZ喫茶も設けたい。コラボしたいですね。地域が世界とつながっていく時代です」と意欲をみせた。


【JICO公式サイト】

※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

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