「さらぴん」って? 関西では「使う」多数 北海道「言わない」沖縄「意味はわかる」千葉「大阪で初めて…」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「さらぴん」って? 関西では「使う」多数 北海道「言わない」沖縄「意味はわかる」千葉「大阪で初めて…」

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 新年度が始まりました。新1年生、新社会人、新人、新加入…「新」がつく言葉はたくさんあります。「さらぴん」もそうです。

 この言葉、皆さんはご存知ですか? 意味は「新しい品(物)」です。この「新」という字、実は「さら」とも読みます。私は当たり前のようにずっと使っていたのですが、最近、地域によっては使わないことに気づきました。そこでまず、関西以外の各地の知り合いに聞いてみました。

◆北海道在住  言わない。
◆千葉県出身  言わないし、使わない。周りに尋ねたら、「ん? サラリーマンに関する何か?」という人も。自身は大阪で初めて「さら」という言葉を聞いた。
◆埼玉県出身  言わないし、聞いたこともない。
◆新潟県出身  言わないと思う。(関西の生活が長いので…)
◆石川県出身  言いませんね。
◆愛知県出身  たぶん言わない。
◆広島県出身 「さら」は言うけれど、「さらぴん」は言わない。関西弁ではないか?
◆福岡県出身  博多弁にはないと思う。「まっさら」「ピンキリ」は言う。これは大阪弁では?
◆沖縄県出身  意味はわかるけど、私も含めて使わない。周りでも聞かない。ただ、意味は理解できるので、使う人がいるかも。

 地域に偏りがありサンプルも少ないため、断言できませんが、ほぼ「言わない」、あるいは「使わない」とみてよいかと思います。

 では関西はどうか? 周りで聞いたすべての人が「使う」または「あまり使わないけど意味は知っている」という回答でした。ちなみに、私も奈良県出身です。……ということは関西弁? と思い、調べましたが、明確に定義している文献・資料などには行き当たりませんでした。

 改めて辞書で調べました。『広辞苑 第七版』(岩波書店)では…「さら【新・更】(1)新しいこと。また、そのもの」。『新明解国語辞典 第八版』(三省堂)には…「まだ使っていないこと(もの・様子)の意の口語的表現」とあります。

 ところが、「ぴん」を調べると…「品」に該当する“表現”としては載っておらず、「ひん」や「しな」に、“読み方”の一例として出ていました。「ひん」の項目に、読み方として「(1)しな。しなもの。『三品(さんぴん盛り合わせ)』」(広辞苑)という具合です。確かに「品」は、「ぴん」とも読みます。「新品」の場合も「しんぴん」です。

 こうしたことから、2つの語源の可能性を考えました。

 一つ目は、福岡出身者が言っていた「ピンキリ」。『広辞苑』には、「ピン」の意味の2番目に「はじめ。第一。最上のもの」などとあります。つまり、「新しい」を意味する「さら」と、「はじめ」「一番」などを意味する「ピン」が組み合わさることで、「しんぴん」=「さらぴん」として使われるようになったのではないか。


◆「ことばコトバ」アーカイブ記事

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