コロナ禍で、需要の落ち込みが懸念されている牛乳。また近年は、学校給食のない長期休み期間中に生乳が大量廃棄されている可能性が、社会問題としてメディアで報じられるなどしている。
そのなかで、もっと牛乳に親しんでもらおうと、一般社団法人日本乳業協会が、普及活動を積極的に行っている。
同協会によると、「『給食に出ているときは飲んでいたけれど、大人になると、好きなのに飲んでいない』という声を聞くことがあります」と、普段牛乳を飲まないという反応によく接するという。「成長期だけでなくどの年代にも飲んでほしい」と、同協会は牛乳の魅力を伝える。
まずは栄養面。「毎日の食生活に手軽に取れる牛乳を1本プラスするだけで、不足しがちなカルシウムはもちろん、動物性のたんぱく質やビタミン類もとれます」(同協会)。給食の牛乳1本200mlで、成人女性が1日に必要なカルシウム推奨量の約3分の1が得られるとのデータもあるなど、手軽に栄養がとれることも、牛乳の特長の1つといえよう。
また、「栄養だけでなく、牛乳はグラタンやシチューの他に和食のだし代わりにも使え、おいしい和食が作れます」とも。飲むにとどまらず、料理の材料として活用できる場面も多そうだ。
そんな牛乳を、児童・生徒ヘの出前授業や大人向けの勉強会なども実施。少しずつ、牛乳への関心の高まりも感じているという。牛のことや、給食に牛乳がなぜついているのかなど、牛乳についていろいろな側面から学ぶことで「牛乳のことがよくわかった」「給食の牛乳はもちろん、家でも飲みたい」という声も寄せられているそう。
出前授業や勉強会では、牛乳の混ぜ飲みや飲み比べなどの実習で新たな魅力に気づく人も多いようだ。そこで、春の季節おすすめの飲み方を聞いてみた。
「春先は、日によって寒暖差がありますので、暖かい日はよく冷えた牛乳を、肌寒い日は温めた牛乳をお飲みください。コーヒーや紅茶に牛乳を入れると味をまろやかにしてくれます。温めても混ぜても牛乳の栄養は変わりません」(同協会)。