神戸市が、ハイキング・サイクリングといったアウトドア活動を楽しみながら、町の賑わいづくりや環境保全などに繋げる取り組み「KOBE Rail&Trail」プロジェクトを始動した。3月から、参加型イベントを通してPRを行っている。
「KOBE Rail&Trail」というプロジェクト名には、“Rail”=人と地域をつなぐ路(みち)、“Trail”=心と体の健康づくりや、人と自然、豊かさをつなぐ道という意味が込められている。同市内を起点に走る神戸電鉄沿線の自然や観光資源をアウトドアを通して広め、生かすことを目的に据えている。
さらには、沿線一帯の企業・団体と連携して新たな都市の活力を生み出すとともに、自然環境も個人の健康をも守る持続可能な社会を目指した「アウトドアのプラットフォーム」を築く“一大プロジェクト”と位置付けている。
昨年2021(令和3)年10月7日には、神戸市と、同市内に本社を置くアウトドア用品専門「株式会社好日山荘」(以下、好日山荘)「神戸電鉄株式会社」の3者が、アウトドアを通じての沿線の地域活性化や魅力発信のための連携協定を結んだ。今プロジェクトは、その3者が連携して展開する。
全体のディレクションを行うのは、好日山荘。日本初の登山用品専門店として誕生し、今年創業98年を迎える。全国に55店舗を有し、ボルダリングジムも展開。登山やアウトドアライフを楽しむための商品・知識・ノウハウを提供している。
そして、プロジェクトの舞台となるのは、神戸電鉄沿線。神戸電鉄では、同市兵庫区から有馬温泉(同市北区)や三田市、さらには三木市・小野市方面へと延びる沿線の自然豊かな環境を生かし、年間約1万人の参加を誇る「神鉄ハイキング」も行っている。
3月からはオープニングイベントとして、SDGsを学ぶハイキング、手話を交えながらのユニバーサルハイキングのほか、ハイキングの弁当にもなるグルメバーガーの販売や、リラクゼーションサロンとのコラボレーション企画など、地元企業との連携企画も行ってきた。
好日山荘広報担当の松浦由香さんは「アウトドアの枠組みを越えて、神鉄沿線での新しい働き方や、暮らし方の実現に向けた取り組みになれば」と意気込みを語った。