前回の「さらぴん」では、たくさんの興味深い感想をいただきました。ありがとうございます。大変参考になりました。さて、今回は「ぎょうさん」です。私は関西弁だと思っておりましたが、どうもそうではないようです。意味は「たくさん」です。
『関西弁辞典』(ひつじ書房)によると、語源として「大阪ことば辞典によると、ギョーサンの『ギョー』は『仰々しい(業々しい)』の『ギョ―』と関係があるとしている(一部抜粋)」とあります。
『広辞苑 第七版』(岩波書店)には…「ぎょうさん【仰山】(1)数量や程度のはなはだしいさま…」などとあります。この「はなはだしい」というのは「程度が著しいこと。たいそう。非常に。…」ということですので、「とても多い」などの意味でも使われます。
三省堂の『新明解国語辞典 第八版』には「(1)[静岡県から九州東部までの方言]数量が通念以上に多くある様子だ」と掲載。そこで今回も静岡から福岡まで、各地の知り合いに聞きました。
まずは西…。
岡山県出身 50代 一番使うのは「ようけ」。その次が「ぎょうさん」。
広島県出身 50代 「ようけ」かな。
福岡県出身 60代 「ぎょうさん」「ようさん」は使わないですが、「ようけ」は使うような気がします。
一方、東はというと…。
愛知県出身 40代 「ぎょうさんもようけも言う。特に60代以上、愛知より岐阜の方が頻度が高い」
三重県出身 70代 「ようさん」「ようけ」
静岡県出身 30代 「使わないし、静岡市内では聞いたことがない。関西弁のイメージ」
出てきましたねぇ…「ようけ」と「ようさん」。実は関西では「ぎょうさん」とあわせて3つとも使われています。その関西でも聞きました。