「ジーンズ」と「デニム」の違い、説明できますか?メーカー担当者「混同には違和感があります」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「ジーンズ」と「デニム」の違い、説明できますか?メーカー担当者「混同には違和感があります」

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 今年のファッショントレンドはズバリ「ジーンズ」。ビッグメゾンを含めた各デザイナーズブランドが、2022年の春夏のコレクションにこぞってジーンズスタイルを採用し、ユニクロも「進めジーンズ」と打ち出してジーンズの新商品を続々と投入しています。

 そんなジーンズにまつわる基本的な知識について、「ビッグジョン」(岡山県倉敷市)の広報担当・松田さんに聞きました。

 まず、「ジーンズ」と「デニム」の違いについてですが、ジーンズはパンツの「種類」、デニムはジーンズを形成する「生地」のことをそれぞれ指します。近年では、すべてまとめて「デニム」と呼ぶことが市民権を得ていますが、松田さんはこれについて、「違和感があります」と言います。

「ジーンズ」と「デニム」の違いとは?

「ジーンズ」はイタリアのジェノバ、「デニム」はフランスのニースが発祥といわれています。諸説あるそうですが、当時、イタリアのジェノバ人が履いていたズボン・ジーンズを、アメリカ人がジーンズ(ジェノイーズ=ジェノバ人の)と発音していたことが始まりだそうです。

 デニム生地は、インディゴ染料(青色)で染めたタテ糸と、染めていない白色のヨコ糸を、「綾織り」という組織で織り上げています。綾織物はその特徴として、表側にはタテ糸が多く露出し、裏側はヨコ糸が多く露出します。ですから、ジーンズの表側は青く、裏返すと白くなるのです。それぞれに、ストーリーや歴史があるのです。

 ジーンズの魅力といえば、なんといっても履く人によって変わるシワや色落ちなどの経年変化ではないでしょうか。現在売られているジーンズは、すでに洗い加工をされているものも多く、何十年も履いたような味のあるジーンズを誰でも手軽に楽しむことができます。そんな洗い加工をしたジーンズを世界で初めて販売したのが「ビッグジョン」。実は日本の発祥なのです。

マルオ被服(現・ビッグジョン)の工場にて縫製が行われている様子(1961年)
マルオ被服(現・ビッグジョン)の工場にて縫製が行われている様子(1961年)

 松田さんによると、洗い加工したジーンズを販売したのは1965年のこと。最初はビッグジョンの前身である「マルオ被服」が、アメリカから輸入したデニム生地からジーンズを量産して販売を開始しましたが、のり付けされた生地はあまりにも硬く、日本人には受け入れられませんでした。

 そこで、同年にビッグジョンは日本人の肌にも合うよう、新品のジーンズを洗濯機で洗ってから販売するようになりました。しかし、洗い加工を施したジーンズも最初は売れなかったそうです。なぜなら、当時の若者が履いていたのはアメリカから輸入された中古のジーンズで、クタクタで色落ちしたジーンズが本当のジーンズだという認識が広がっていたからです。


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