大阪府吹田市のパナソニックHD工場跡地で開発が進められていた「Suitaサスティナブル・スマートタウン(SST)」が、8日、報道陣に公開された。
このプロジェクトには、パナソニック・ホールディングス(HD)など15社が参加し、アドバイザーとして吹田市が協力した。およそ2.3ヘクタールの敷地内には、ファミリー向けやシニア向けのマンションや複合商業施設、公園などが整備されているほか、認可保育園や学習塾、デイサービス施設もある。高齢化が進む日本の課題を先取りし、多くの世代が交流しながら健康で安心な生活を送ることを目指す。
日本初の試みとして、エリア内の消費電力はすべて再生可能エネルギーで賄うほか、自然災害が発生した場合などの非常時にも3日分の電力を確保する蓄電池を備え、環境と防災に配慮している。
またAI機能を搭載したタウンカメラが設置され、例えば誰かが転倒したり、人の滞留などが発生した場合、自動で検知し管理事務所にアラームで知らせる。必要があれば警備会社にも連絡される。カメラで蓄積されたデータは分析され、事故の防止や安全対策につなげる。
このほか、広さ1000平方メートルの公園ではマルシェなどのイベントを開催するほか、近くで開発が進む北大阪健康医療都市(健都)と連携していくという。
パナソニックHDの工場跡地を利用したスマートタウンは、神奈川県藤沢市と横浜市に次いで3か所目となる。