世界にはまだまだ知らないユニークな世界が… 「佐藤健寿 奇界/世界」展 西宮市大谷記念美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

世界にはまだまだ知らないユニークな世界が… 「佐藤健寿 奇界/世界」展  西宮市大谷記念美術館

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 これまで120か国以上を巡り、多様な文化や建築、自然が生んだ奇景、奇妙に見える風俗等を持つ人々など、世界に存在する不思議なものなどを収めた写真の展覧会「佐藤健寿(さとう・けんじ)展 奇界/世界」が、西宮市大谷記念美術館(兵庫県)で開催されている。2022年6月5日(日)まで。

「佐藤健寿展 奇界/世界」西宮市大谷記念美術館(兵庫県)

 世界には思いもよらない文化や風習があり、自然の力を感じさせる風景が存在する。佐藤健寿展では世界の広さを実感できる。ベストセラーとなった写真集「奇界遺産」。このタイトルは佐藤氏の造語だ。展示された作品は、思わず二度見してしまうようなユニークなものばかり。キャプションから背景となる情報をインプットすると、その奥深さを感じることができる。また過去20年に渡る旅をシンプルな視点でとらえた「世界」の写真も並ぶ。

 スペインの町《セテニル》は崖の「下」につくられた町だ。崖下の洞窟に人々が住み始めたのが始まりとされる。

 ベトナム・ホーチミンにあるテーマパーク《スイ・ティエン公園》。伝説のベトナム初代国王がモデルの彫像はウォータースライダーになっている。写真では「赤」だが、現在はグレーになっている。世界最大級のマンモスが発見されたことにちなんで作られた中国の《マンモス公園》は87体ものリアルマンモス象が並ぶという。

 「奇界」で、多くの情報をインプットした後は、「世界」へ。キャプションはない。世界的パンデミックによって世界への扉が制限された今だからこそ、世界に思いを馳せ、新たな世界を見つけてほしいとし、そこにも人々の暮らしがあり、旅の目的地に至るまでの線であるともいえるという。

 写真表現の新たな可能性を示した写真集『SATELLITE』からの作品も展示する。「人工衛星から、この地点、この時間に写真を撮るとこんな写真が撮れる」という試みで、佐藤氏自身はシャッターを押していないが、その意思が反映されている。

 マダガスカルのベシボカ川を撮った写真。赤く見えるのは上流の森林伐採によって流れ出た赤土。海まで到達しており、「幻想的で悲劇的な光景」としている。

 また、西宮市大谷記念美術館のために、空撮した西宮とその周辺の写真も展示。佐藤氏は「関西は海と山が近いのが面白く、マリーナのような作られた海岸線も面白い」と話していたそう。

 佐藤氏は「真なる発見の旅とは、まだ見ぬ景色を探すことではない。世界を見る新たな目を見つけることだ」という文章を著書の中で引用している。西宮市大谷記念美術館では「なかなか世界に出ていけない状況が続いているが、この展覧会が新しい世界を見つける旅へのヒントになれば」と期待を込める。世界にはまだまだ知らないものがある。

 西宮市大谷記念美術館の開館時間は午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。休館日は水曜日だが、5月4日(水・祝)は開館する。


「佐藤健寿展 奇界/世界」
2022年4月2日(土)~6月5日(日)
西宮市大谷記念美術館
休館日 水曜日 ※5月4日(水・祝)は開館
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
【西宮市大谷記念美術館 公式HP】


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