《JR福知山線脱線事故17年》”栞”の意味、かみしめて・・・安全願い「空色の栞」沿線で配布 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《JR福知山線脱線事故17年》”栞”の意味、かみしめて・・・安全願い「空色の栞」沿線で配布

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「『栞』」の字の成り立ちを知っていますか?17年前、予期せぬ事故で負傷した最愛の妻とともに歩む男性が問いかける。

空色の栞は5000枚作成
空色の栞は5000枚作成
「栞」あなたの道しるべ~あの日を決して繰り返すことなく、安全で安心な社会を とのメッセージも
「栞」あなたの道しるべ~あの日を決して繰り返すことなく、安全で安心な社会を とのメッセージも

 4月25日、兵庫県尼崎市で起きたJR福知山線脱線事故から17年を迎える。事故の負傷者や家族でつくる「空色の会(JR福知山線事故・負傷者と家族らの会)」が今年も、川西市内で「空色の栞(しおり)」を5000枚を作成、空色は、事故当日の晴れ渡った青い空を忘れないとの思いから名付けた。メンバーそれぞれが、1枚1枚に空の色を表す2種類のブルーのリボンを通した。

1つ1つの栞にリボンを通す「空色の会」のメンバー(兵庫県川西市)
1つ1つの栞にリボンを通す「空色の会」のメンバー(兵庫県川西市)

 『栞』の文字は山道などを歩く時に、迷わないよう木の枝を折って道しるべに使ったことに由来するとされる(世界各国で諸説あるが、日本の場合は「枝(し)折り」という言葉がルーツとも言われている)。
「空色の栞(しおり)」には「みんなが行きたかった場所にたどりつけるよう」という思いを込めた。男性はさらに「それぞれが家に帰れるように」との願いも込めていると話す。

 2005年4月25日、午前9時18分。快晴だった。通勤や通学、また大型連休を前に、少し早めの休暇を取り遠方へ向かう人…列車はそれぞれの思いも運んでいた。
 乗客106名が死亡、562名が負傷。事故から数日経ち、心と体に傷を背負いながらも自宅へ帰ることができた人、無言の帰宅となった犠牲者もいた。

 栞のデザインは1両目で重傷を負った団体職員の福田裕子さん(宝塚市・当時大阪芸大3年)が手掛ける。福田さんはここ数年、今まで避けていた明るい色を使うようにした。これまでは空色、ブルー、コバルト、ホワイトを使うことが多かったが、少しづつ色合いに変化が出てきた。

デザインは福田裕子さん(写真中央)が2009年から手掛ける
デザインは福田裕子さん(写真中央)が2009年から手掛ける

 負傷者は脱線事故を起点として、それぞれの人生を歩んでいる。福田さんは空色の栞のデザインを作成する以上、このことは忘れていない。そして、自分ひとりの作品として出すのではなく、事故の被害者として「客観性」を大切にしている。

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