電子部品の製造会社、新規事業はニンニクの水耕栽培 コロナ禍の低迷受け | ラジトピ ラジオ関西トピックス

電子部品の製造会社、新規事業はニンニクの水耕栽培 コロナ禍の低迷受け

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 新型コロナウイルスの影響は電子部品の製造業界にもおよび、大きな打撃を与えている。そのなかで、本業の低迷から脱却しようと、兵庫県明石市の会社が新たな事業に挑戦している。

 主にプリント基板事業を展開する株式会社テクノシンセイが第2事業として取り組んでいるのが、「発芽にんにく」の栽培だ。

 同社が発芽にんにくの栽培を始めたのは昨年(2021年)の6月頃。コロナ禍で本業の落ち込みに苦慮し、その状況をいかにカバーしていくか模索するなかで、同社の社長がたまたま立ち寄った大阪の道の駅で「満点にんにく」(※)という発芽にんにくの商品を発見。購入して食べた際に、「おいしさに衝撃を受けた」そうで、すぐに従業員20人にも試食を実施。その結果、全員から好評を得たことや、ニンニクの栄養価が高く健康に寄与すること、初期投資が少ないことなどを考えて、発芽にんにくの事業に着手することを決定した。(※「満点にんにく」は茨城県水戸市で誕生したニンニク。販路拡大のために全国オーナー制度を設けて各地に生産者がいる。テクノシンセイもその中の1つ)

 テクノシンセイで栽培している発芽にんにくは水耕栽培で作られるもの。1粒ずつニンニクの皮をきれいにむいて、それを水素水に浸けることで発芽させる。年間を通して温度管理をすることで、季節を問わず栽培できるので、供給が止まることはないそう。

 また、水だけで発芽育成しているため、根や芽まで丸ごと食べられるのが特徴。葉はサクサク、身(鱗片)はホクホクしている発芽にんにくは、発芽させることで栄養価が高くなり、発芽していない通常のニンニクに比べてカリウム、アルギニン、チロシン、カルシウムなどが多く含まれているという。

 熱を通すことでにおいが残りにくくなるのも、発芽にんにくのよさ。レンジでチンするだけでもおいしく食べられるが、素揚げ、チーズ焼き、天ぷら、ベーコン巻き、パスタ、鍋、しゃぶしゃぶ、カレー、餃子、アヒージョと、その活躍はオールラウンダー。テクノシンセイの担当者によると、「みそ汁の具にしてもおいしい」という。また、「試食販売の反応も上々で、75~80パーセントの人は購入していく。栽培から1年経っていないが、1週間に1万個の目標を近いうちに達成し、今年中に2万個、3万個と、生産量を増やしていきたい」と話す。

 地元・兵庫県では、神戸市須磨区にある産直市場「ナナ・ファーム須磨」などで取り扱う。同店では販売から半年ほどで多くのリピーターが生まれる人気商品となっている。


◆テクノシンセイ HP

■ナナ・ファーム須磨
兵庫県神戸市須磨区外浜町4-1-1
電話 078-733-7722
※店舗ごとに営業時間や定休日が異なるため、詳しくはナナ・ファーム須磨の公式サイトを参照

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