ところがある日突然、羽を膨らませて産卵スポットに座り込んで動かなくなったため、抱卵を始めたと判断しました。餌や飼育環境を変えたわけでもなく、思い当たるきっかけはありません。一旦抱卵を始めると、普段は逃げる距離に手を近づけてもじっと動かず、我慢強く温め続けている様子が印象的でした。
――今回のヒナ4羽の誕生の様子を教えてください。
約2週間半ほどの抱卵期間を経て、1羽目~4羽目まで12時間ほどの時間差で次々と孵りました。ほぼ毎日1個ずつの産卵であることを考えると、最初~最後に産んだ卵では最低でも4日間の開きがあるはずなので、恐らく最初に産卵された卵は温め始めるまで待機状態で、抱卵開始後から卵の中で成長がスタートしたのではないでしょうか。
孵化前に検卵したところ、約2センチの小さな卵がしっかり拍動しており、生命の神秘を感じました! 今回は自然抱卵による孵化だったため、ヒナの鳴き声で孵化に気付きましたが、卵のカラを割って産まれてくる姿を見ることができて感動しました。
産まれた直後は羽が濡れていますが、1時間弱で少しずつ乾いてきて、24時間もしないうちに完全に羽が乾きます。その時に体重をはかると、たった3グラムでした! 親鳥たちが孵化した時には、5日後には少しずつ大人の羽が生え始め、9日経つ頃には14グラムになっていました。
ヒメウズラの羽色は様々ですが、うちは両親とも白色なので、恐らくヒナたちも成長すると白色になると思います。今はまだみんな黄色で、動き回っていると区別がつかないですが(笑)、愛おしくてたまらないです。ママから引き離すのはとても心苦しかったのですが、パパが赤ちゃんをつついているのを見てしまったため、今は4羽とも赤ちゃん部屋に移動しています。これからの成長がとても楽しみです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
動物大好きの飼い主さん一家のもとには、なんとヒメウズラの他にも猫13匹、犬4匹、インコ類4羽、コールダック3羽、チンチラ1匹が住んでおり、熱帯魚水槽もあるそうです。更にこのたびヒメウズラのヒナ4羽が加わり、ますます賑やかな様子。Twitterアカウント「コールダック日誌@arukutori_2021」では、ヒナたちの成長の様子や、コールダックを始めとした動物たちの日常を見ることができます。
(取材・文=ししまる555)