「終わりある支援」を目指す女性経営者 はじまりは10代の頃に抱いた“夢”への疑問 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「終わりある支援」を目指す女性経営者 はじまりは10代の頃に抱いた“夢”への疑問

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 林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)と、フリーアナウンサーの田中大貴(元フジテレビアナウンサー)がパーソナリティーを務めるラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』に、株式会社NATURAL VALUE(ナチュラルバリュー)代表取締役の吉田南美さんがゲスト出演。カンボジアの農村部で支援活動を行う吉田さんの、これまでの歩み、そしてこれからの夢について話を聞いた。

林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)、フリーアナウンサーの田中大貴と、株式会社NATURAL VALUE代表取締役の吉田南美さん(手前) ※撮影時にマスクを外して対応 (写真:ラジオ関西)

 20代の頃から、カンボジアのシェムリアップというアンコールワットのある街で、国際協力のNGOを行っていたという吉田さん。子どもたちの教育支援や学校建設、農村部に暮らす人々に仕事を提供できる工房の運営などを通して、村の中の社会課題解決に取り組んでいたが、あるときふと「この支援っていつ終わるのだろう?」と気付いたのだそう。それをきっかけに、「終わりのある支援」をテーマに、同社でのプロジェクトを開始した。

「支援団体って、極論、存在しない方がいいと思ったんです。例えるなら、貧しい人に魚を与えるのではなく、釣り竿を渡して釣り方を学べる機会を与えたい。そして最終的に『もう自分たちで生きていけるから大丈夫です』と言ってもらえるような、私たちの支援が“終わり”を迎えられるような、そんな未来を作らないと本当の意味での自立ではない、と気付きました」(吉田さん)

 そう語る吉田さんが、カンボジアでの支援活動を始めたきっかけは、12年前、10代の頃までさかのぼる。

 当時18歳の彼女は、あるテレビ番組で「日本の子どもたちに聞いた“将来の夢”ランキング」を観ていたそう。そしてランキング2位に大差をつけ堂々の1位となった子どもたちの回答が「特になし」だったことに驚いたという。

「子どもたちが『特に夢がない』と言っているのに、集計した大人たちは何も思わないのかと感じましたね。そこで、『じゃあ、日本以外の国に住む子どもたちはどんな夢を持っているんだろう』と気になって調べたんです。ただし、アメリカなどの先進国は調べたら(データが)出るのに、タイやカンボジアといった途上国になるほどデータが出てこない。それなら現地に行って直接聞こうと思って、19歳のとき、ひとりでタイに行って、出会った子どもたち373人(※名前のミナミにかけて)に夢を尋ねる旅に出ました」(吉田さん)

株式会社NATURAL VALUE代表取締役の吉田南美さん ※撮影時にマスクを外して対応 (写真:ラジオ関西)

 その旅での出会いを経て、カンボジアでのNGO活動、そしてナチュラルバリューの活動につながったと振り返る吉田さん。最近では、新たにサステナブルブランドの『Srolanie(スロラニエ)』を立ち上げた。スロラニエとは、カンボジア語で“愛”を意味する“Srolanh”(スロラニュ)が由来で「自分への愛、時間への愛」をコンセプトとし、カンボジアの女性たちが作り手だそうだ。

「モノ自体に価値があるのではなく、モノと自分がどんな時間を過ごすかによって、モノの価値はゼロにも100にもなる」というテーマが込められたアイテムが販売されている。吉田さんは「この『Srolanie』から、多くの人々の時間を幸せにするアイテムを広めていきたい」と、未来への展望を語っていた。


※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2022年2月7日放送回より

『Srolanie』 HP
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