環境の変化に左右される「鳴門わかめ」 生産継続への危機感「自分たちで種を生産する技術を持たなあかん」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

環境の変化に左右される「鳴門わかめ」 生産継続への危機感「自分たちで種を生産する技術を持たなあかん」

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 関西の朝の顔としてテレビなどで活躍する気象予報士・防災士の正木明がパーソナリティーを務めるラジオ番組『正木明の地球にいいこと』(ラジオ関西、月曜午後1時~。アシスタント:荻野恵美子)。2022年3月7日放送回では、南あわじ漁業協同組合(兵庫県南あわじ市)の代表理事組合長を務める小磯富男さんがゲストで登場。ワカメの種苗や養殖の取り組み、環境問題などを語った。

 鳴門の渦潮を生み出す激流で育つ「鳴門わかめ」。南あわじ漁業協同組合では約100セット(60メートル×90メートル)を生産している。1本のロープにすると淡路島を約3周するくらいの長さになり、約3500〜4000トンの水揚げ量だ。10月上旬に生産場所の抽選を行い、10月下旬から12月までにワカメの種苗をつけて沖に張り込む活動している。

(写真提供:南あわじ漁業協同組合)

「気候変動によって雨が降らなかった年があり、そのときは栄養源不足で若干、ワカメの色落ちがあった」という小磯さん。「雨が降らないことで、山から流れる水に栄養が入り込まなかったことが影響していたのだろう」と実体験をもとに分析する。

 環境の変化によって多大な影響を受ける「鳴門わかめ」。温暖化の影響から状態の良い種苗の生産が厳しく、今まではほとんど鳴門の専門業者から種を購入していたが、ワカメを生産する種苗の必要数が手に入らなくなる可能性も考えなければならないと、小磯さんは危機感を抱く。

(写真提供:南あわじ漁業協同組合)

「このままでは基幹産業のワカメ養殖の危機になるため、自分たちで種を生産する技術を持たなあかん」という思いで、兵庫県農林水産省技術総合センターの二羽恭介さんに相談。丸山地区でワカメ養殖に一番適し、色落ちに強く、成長も早い種苗生産に取り組み、新しい種苗「二羽種」を生み出し、「鳴門わかめ」の生産維持に貢献している。

 また、ワカメの種付けから刈り取り、ボイル、塩蔵までの一連の工程を子どもたちにふれてもらう体験学習にも積極的に取り組む。「子どもたちが大きくなったとき、『ワカメは丸山地区でたくさん作っている。そして、おいしい』ということを広げてもらえれば」と、地産のワカメの普及へ、思いを語っていた。

(写真提供:南あわじ漁業協同組合)
(写真提供:南あわじ漁業協同組合)
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