神戸・板宿に店を構えて今年で51年となる老舗鶏肉店が、コロナ禍で巣ごもり消費が増える中、新たな取り組みを始めている。
昭和46年(1971年)創業の有限会社山中鶏肉店(神戸市須磨区大田町)は、卸販売を中心とする鶏肉専門店。本店では毎日早朝から職人が腕をふるい、選び抜かれた新鮮な鶏肉のほか、鶏卵や加工品が店頭にずらりと並ぶ。
現在は神戸市営地下鉄「名谷」駅前の須磨パティオ内にも出店しているほか、本店2階では創作鳥料理の店「鳥輝」を運営。鶏を知り尽くした専門店の特長をいかして、焼き鳥、すき焼き、鴨鍋といった完全予約制の鳥コース料理を、季節の食材とともに提供している。また神戸市営地下鉄「板宿駅」南口徒歩1分の場所で営業している「焼鳥やまなか」は、リーズナブルな価格で絶品の焼き鳥や一品料理が味わえる店として人気を集めている。
その山中鶏肉店が、看板商品である焼き鳥や唐揚げの自動販売機での販売に着手し、注目されている。
自動販売機は板宿本店のほか、須磨区妙法寺清水台、垂水区千鳥が丘に設置。さらに4月1日からは灘区のレジャー施設「グランド六甲」と、明石市の商業施設「アスピア明石」にも置き、現在は5か所に拡大している。
「自動販売機でしか買えない商品や季節限定の品もあり、夕食のおかずや、皮せんべいなど酒のつまみに最適なメニューを取り揃えている」というのは、山中鶏肉店の代表取締役・山中輝彦さん。今の時期(4月ごろ)、おすすめの限定商品はサラダチキンで「冷たいまま生野菜と合わせ、ドレッシングでさっぱりと食べてみてほしい」と話す。
自動販売機での販売をスタートするにあたって工夫したのは、味の鮮度を保つパッケージ方法だ。真空パックやガス置換包装を採用し、作りたてのおいしさを閉じ込めて冷蔵することで10日間の消費期限を設けられるようにした。さらに200~500円と手軽に購入できる価格設定にもこだわった。利用客からは「24時間、食べたいと思ったときに買えるのがうれしい」という声も寄せられている。
※ラジオ関西『ばんばひろふみ!ラジオDEしょー! 』2022年4月20日放送回、「魅力満載!海峡通信」より
◆有限会社山中鶏肉店
住所 兵庫県神戸市須磨区大田町1-3-5 1F
電話 078-732-2528
【公式HP】