2021年８月に発足し、兵庫県豊岡市の江原河畔劇場を拠点に活動する「たじま児童劇団」は、今年1月に旗揚げ公演を行った。上演作品を書き下ろしたのは、劇作家・演出家、平田オリザさん。このたび、平田さんがパーソナリティを務めるラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』（ラジオ関西、木曜午後1時～）に、同劇団に参加した山森咲楽（さくら）さんが出演。旗揚げ公演を振り返り、自身の経験をみずみずしい言葉で語った。
たじま児童劇団は小学生の部と中高生の部に分かれており、ワークショップや創作に取り組んでいる。今年１月に、中高生らによる旗揚げ公演『十五少年・少女漂流記』を上演した。本作は、ジュール・ベルヌの『十五少年漂流記』をモチーフに、1期生15人をイメージして平田さんが書き下ろした新作で、但馬の観光名所である「玄武洞」の穴から異次元空間に迷いこんだ15人の少年少女の奮闘を描いている。
番組に出演した高校3年生の山森咲楽さんは兵庫県宍粟市在住。人口が少なく、演劇ができる場を求めてたじま児童劇団に参加した。そんな山森さんに与えられたのは、なんと「アンドロイド」役。子供らの帰還を手助けする重要な役割だ。
とはいえ、山森さんも当初はかなりの戸惑いがあったようだ。
「びっくりですよね。台本の1ページ目にある配役をみて、1回台本を閉じました（笑）。これは、アウェイだと。セリフがたくさんあってうれしかったけれど、説明も多く……。平田さんにはかなり演出をつけていただきました」（山森さん）
演出も手掛けた平田さんは、山森さんの「大人っぽい淡々とした口調が（アンドロイド役に）ピッタリだった」と太鼓判。4公演を演じきった山森さんを労った。
山森さんは旗揚げ公演を振り返り、「濃密な稽古時間を経て、自分の容量が広がった」と話し、今後に向け「2期も続けたい。私はとにかく演劇やりたい人間で、将来は表現者になりたいのでこの道を突っ走っていきたい。」と意欲を語ると、平田さんは「山森さんの人生。（この経験が）なにか考えるヒントになればいいなと思います。」と目を細めた。
※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2022年4月28日放送回より
【たじま児童劇団公式Twitter】
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時：毎週木曜日 13:00～13:25
放送局：ラジオ関西（AM 558khz / FM 91.1mhz）
パーソナリティー：平田オリザ、田名部真理
メール：oriza@jocr.jp
