「木幡(こはた)」を出ると、まもなく「黄檗」。日本三禅宗の1つ・黄檗宗の大本山「黄檗山萬福寺」への最寄駅でもあり、ここからしばらくは横を京阪宇治線が並走します。
宇治川橋梁を渡ると快速停車の「宇治」。平等院をモチーフにした駅舎と、茶壷の郵便ポストが出迎えてくれます。観光には少し離れた京阪宇治駅の方が便利なのですが、JR側にもおすすめグルメがいくつかあります。駅前にあるちゃんぽん専門店「どんたく」は焼きちゃんぽんが名物。また、お茶の老舗である伊藤久右衛門と中村藤吉本店も並んでいます。そして宇治橋商店街の中ほどには、60年前に誕生した市場をリノベーションした「大阪屋マーケット」があります。中には本場ナポリの50種類のピザが味わえるお店、ベトナムのサンドイッチ・バインミーのお店、チャイの専門店など、全部で12店舗が入っています。
「宇治」から「城陽」までは再び複線になり、住宅街にある「JR小倉」を過ぎると次は「新田」。ここで近鉄京都線の大久保駅と連絡しています。そしてこの駅の前には高さ19メートル、樹齢150年の見事なイチョウの木がシンボルとして大空に伸びています。
「城陽」は日中1時間に4本ある普通列車のうち、半数がこの駅どまりとなります。ここはまさに人口7万の城陽市の玄関口。2018年にアウトドアレジャーパーク「ロゴスランド」がオープン。また2024年には「京都城陽プレミアム・アウトレット(仮称)」も完成予定で、さらに新名神高速道路が城陽から大津まで開通するため、洛南地域で最も発展するエリアとなります。
いまJR奈良線は藤森~宇治の単線を含む路線で、限界に近い高頻度運行を行ってますが、来春の京都~城陽完全複線化ですれ違いがなくなり、この区間で最大6分は短縮され、増発も期待できそうです。果たして、これで競合する近鉄京都線の乗客をシフトさせることができるのかどうか、注目していきたいところです。(羽川英樹)
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