神社ゆかりの藤棚が見頃に “海の神様”が鎮座する「明石のパワースポット」住吉神社 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神社ゆかりの藤棚が見頃に “海の神様”が鎮座する「明石のパワースポット」住吉神社

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 兵庫県明石市魚住町にある住吉神社で、今年も藤の花が満開となった。薄紫色の花穂が咲き誇る藤棚には甘い香りが漂い、初夏の訪れを告げている。

住吉神社の藤棚

 住吉神社が創建されたのは雄略8年(西暦464年)。住吉大神の「吾が居住はむと欲りするところは、播磨の国に渡り住はむ」「藤の枝を浮かべ流れ着いた処へ我をいわい祀れ」という神託を受け、神功皇后が木の国(現在の和歌山県)から大藤の枝を海に浮かべたところ、流れ着いたのがこの地であったと伝わる。その由緒にちなみ、明治中期に植えられた藤は今、大きな藤棚となって潮風に揺れる姿が参拝者を楽しませるようになった。

住吉神社の正面門
住吉神社の本殿

 境内では、さまざまな歴史的建造物も見ることができる。本殿の南側にある能舞台は明石市指定文化財、そして「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」(平成18年水産庁選定)にも選ばれた。寛永4年(1627年)、明石藩初代藩主・小笠原忠政の命によって作られ、2027年には建立400年の節目を迎える。特徴の1つが、一般的な能舞台に見られる松の絵が描かれた鏡板がなく、吹き抜けになっていることだ。禰宜(ねぎ)・西海庸就さんは、その理由を「住吉大神は海路の神。神様が鎮座する本殿から、能舞台、楼門、そして鳥居を通り抜けて海が見えるようになっている。海への通り道を作るために通常は鏡板を外し、能を奉納する時のみ取り付けることにしている」と話す。

吹き抜けになっている住吉神社の能舞台
明石市指定文化財で、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれた、住吉神社の能舞台

 花の名所としても知られる住吉神社では、6月にはアジサイが見頃を迎える。境内には「ヤマアジサイ」「ガクアジサイ」「西洋アジサイ」などの品種が植えられ、2500株ほどのアジサイが一斉に花を咲かせる。「太陽が海に沈む夕暮れ時は幻想的な雰囲気に包まれ、また違った神社の風景に出合える。季節ごとに異なる表情を楽しみにぜひ訪れてほしい」と西海さん。

住吉神社ではアジサイも6月には見ごろになるという
住吉神社の夕景

 海を望む絶好のロケーションとあって、参拝後に周辺を散策する人も多い。神社から西に徒歩5分の茨木酒造は江戸時代から続く造り酒屋。170年の伝統を持つ酒蔵で造られる地酒「来楽」や甘酒を味わえるとあって、1年を通して参拝客が訪れる。

 初夏の花々に彩られた「明石のパワースポット」住吉神社へ。新緑の季節、ぜひ散策をしに出かけてみては。(嵐みずえ)


※ラジオ関西『Clip』2022年4月26日放送回、「嵐みずえの素敵な明石!!ここ」より

◇住吉神社
兵庫県明石市魚住町中尾1031
アクセス 山陽電鉄「山陽魚住駅」より南へ徒歩5分
電話 078-946-0417
【公式HP】

◇茨木酒造
兵庫県明石市魚住町西岡1377
電話 078-946-0061
【公式HP】

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