アメリカ・チャベスを守るため、マルチバースの知識を豊富に持っているというアベンジャーズのメンバー、ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)に助けを求めるドクター・ストレンジ。ところが、双子の息子たちと過ごす幸せな夢にとらわれた彼女には、別の決意があった。
ドクター・ストレンジは、かつてカマー・タージでともに修業し、今やマスターとして魔術師たちを率いるリーダーとなった盟友・ウォン(ベネディクト・ウォン)と手を組みに、アメリカ・チャベスを守る闘いに身を投じる。
しかし、次元を往来した先のパラレルワールドのような別次元の世界には、そこに住むもう一人の自分がいた。また、別の宇宙では別のアイデンティティとして生きていて、心も体も全く違う。例えば外見も、髪を後ろで結っていたり、ショートヘアーで青色のマントだったり、ロングヘアーにひげ面だったりするのだ。そして目の前に現れるのは、元恋人のクリスティーンや、かつての兄弟子であり袂を分かった、謎を秘める魔術師・モルド(キウェテル・イジョフォー)ら懐かしい面々。はたして彼女、彼らは、今は敵なのか味方なのか……。
監督は、MCU初進出のサム・ライミ。トビー・マグワイアがピーター・パーカーを演じた『スパイダーマン』シリーズを大成功させ、ヒーロー映画の一つのスタイルを作った彼の監督デビューは、1981年の『死霊のはらわた』だった。史上最高のカルト・ホラー映画で、興行的にも成功したインディペンデント映画としてファンも多いこの作品。そのファンへの大サービスもあって、サム・ライミらしいMCU監督デビュー作となったこの映画は、絶対に大画面の映画館で観てほしい‼ そのために今作は2D、3D、4DX、MX4D、IMAX3Dなど、楽しみ方のセレクションも多彩に用意されている。
主演のベネディクト・カンバーバッチは、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021年)で今年のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、2月にはハリウッドの殿堂入りも果たした。イギリスの俳優なのにアメリカ訛りが完璧であるなど、細かいことにもこだわったキャストやスタッフの頑張りは、2008年の『アイアンマン』からスタートしたMCUシリーズのクオリティーを確実に上げてきた。そして次回作も……と、今後への期待は果てしなく広がるのだ! (増井孝子)
※ラジオ関西『ばんばひろふみ!ラジオdeショー!』、「おたかのシネマdeトーク」より
「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」大ヒット公開中
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