日頃から腰痛持ちの人でも、突然起き上がれないほどの痛みを感じたら「腰椎圧迫骨折」の可能性があるといいます。その原因や具体的な症状・治療方法などについて、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の吉田泰久院長に詳しく聞きました。
――腰椎圧迫骨折とは、どのようなものでしょうか?
一般的に「背骨」と呼ばれる脊柱は、頸椎から尾てい骨まで小さな骨がつながってできています。とりわけ腰椎は上半身を支え、日常的な動作や運動に欠かせない大切な骨ですが、この部分に外から圧力がかかって生じるのが腰椎圧迫骨折です。
――複雑骨折ということでしょうか?
手足の骨折とは異なります。圧迫骨折は、骨がポキッと折れてしまうのではなく潰れたような状態になることを指します。
――原因は何でしょうか?
骨密度の低下により骨の強度が弱くなっていることが挙げられます。骨密度が一定以上低下した状態を「骨粗しょう症」と呼び、高齢者、特にホルモン等の影響で骨密度が低くなりやすい女性に多い症状と言われています。
――どのようなきっかけで起こりますか?
転倒など大きな衝撃ではなく、ちょっと尻もちをついただけで骨折することもあります。ベースに骨粗しょう症があるため、些細な動作で体の重さによって骨が潰れ、変形してしまうのです。