昭和カルチャーを愛する「ネオ昭和」女子大生・阪田マリンです。みなさんは、百貨店やデパートの屋上に上ったことはありますか? 昭和時代の映画やドラマに登場するデパートの屋上には、観覧車やステージ、アイスクリーム屋さんなどがあり、なんだかとても楽しそう……。この「屋上遊園地」、少し前までは日本のいたるところにある、おでかけの定番スポットだったといいます。
日本に屋上遊園地が初めてできたのは、1903(明治36)年。東京都中央区にあった「日本橋白木屋呉服店」が、店内にシーソーや木馬などの遊具を設置したことが始まりだといわれています。その全盛期は1950年代半ばから60年代後半にかけて到来し、当時は日本中のファミリーの憩いの場として親しまれていたそうです。
しかし、ここ数年でその数は急激に減少しています。その理由は様々ですが、利用者が減っているからというよりも、建物や遊具の老朽化や土地の再開発など、「大人の事情」によるものが多いという話もあるそうです。私が調べてみたところ、現在でも遊具で遊べる屋上遊園地は、日本に残り7つ程度のようでした。そんななか、私が暮らす関西で、現在も営業を続ける屋上遊園地を発見! ほとんどの地域で幻の存在となりつつある中、地元の方から愛され続ける関西最後の屋上遊園地・松坂屋高槻店「スカイランド」(大阪府高槻市)に行ってきました。
「スカイランド」は、松坂屋高槻店ができた1979年、百貨店の開業と同時にオープンした歴史ある遊園地です。園内には26体の遊具やゴーカート、線路を走る汽車の乗り物などが設置され、屋上のほぼ一面全てを使った広い敷地が自慢です。遊具の生産・修理などを行う企業「加藤工業株式会社」(大阪府豊中市)が直接管理しているためか、その設備や遊具は全てピカピカ! 眺めているだけでもワクワクする明るい雰囲気の園内に、20人以上の親子連れが集まり、遊具に乗ったりベンチで休んだりと、思い思いに楽しんでいました。
松坂屋高槻店「スカイランド」の園長・梁学明(りょう まなあき)さんによると、屋上遊園地を運営する上で特に手がかかるのは、やはり遊具の管理なのだそうです。スカイランドでは、オープンから現在までの43年の間、毎日全ての遊具にカバーをかけて大切に管理しています。特に、大雨や台風が多い時期は大変! 遊具が濡れたり倒れたりしないように、カバーだけでなくロープで縛って地面に固定し、雨や風から守っているそうです。また、遊具の入れ替えや塗り直し、整備も頻繁に行い、20年近く使い続けているものもあるのだとか。
ただ、遊園地自体の衰退が進む中、遊具の製造元が経営をやめてしまうケースも増え、遊具の修理の技術者が減り、部品自体が手に入りづらくなっているものもあるそうです。梁さんによると、本体の設備は元気でも、遊んだ後にオマケとして出てくる景品のキャラクターカードの製造が終了している遊具もあるなど、この先の不安材料は山積みなのだそう。