サッカー・J1のヴィッセル神戸は21日、J1第14節で湘南ベルマーレとアウェイのレモンガススタジアム平塚で対戦する。勝点7で並ぶ17位ヴィッセルと18位湘南。下位脱却を目指す両者の顔合わせは激闘必至だ。キックオフ予定は午後3時。
14日にサガン鳥栖戦、18日にACLによる延期分の川崎フロンターレ戦と、タイトな日程のなかでホーム2連戦を行ったヴィッセル。鳥栖戦では4-0と会心の勝利を収めたものの、川崎F戦では拮抗した試合展開のなかでラストワンプレーとなったコーナーキックから失点し、0-1と惜敗。勝点をとにかく積み重ねなければならない状況なだけに、悔しい一戦となった。
そこからわずか2日の準備期間で迎える敵地での湘南戦。心配されるのは選手のコンディションだ。負傷により長期離脱中のMFセルジ・サンペール選手、FW藤本憲明選手をはじめ、チームにはけが人が多く、前回の川崎F戦でも、FW大迫勇也選手、DF槙野智章選手、MF扇原貴宏選手、MF橋本拳人選手、FW佐々木大樹選手ら主力どころも揃って不在だった。ACLから続くタフなスケジュールのなかで激闘を続けているだけに、選手への負担も大きくなっているのは否めない。川崎F戦でも、MFアンドレス・イニエスタ選手、FW武藤嘉紀選手といったチームの核となる選手たちが、今後を見据えて途中交代を余儀なくされている。
試合前日のオンライン会見で「自分たちとしては川崎F戦が週の真ん中にあったことで、2日間しか準備期間はなかったが、まずは川崎F戦でプレーした選手たちをしっかり回復させることと、この短い時間で可能な限り準備をするということで（湘南戦に）挑みたい」と述べたロティーナ監督。イニエスタ選手らの状態について、「試合当日の朝まで判断は待とうと思う。フィジカル的に問題は彼（イニエスタ）に関してはないが、どちらにしろ、コンディション的に試合当日の朝、この前プレーした選手たちがどういう状態にあるかをみて、最後、判断したい」と、ギリギリまで選手の状態を見極めるよう。
それでも、「J1の試合で重要ではない試合というのは1つもないので、明日の試合も重要な試合として挑みたいし、準備をしている。相手に最大限のリスペクトをもってこの試合も戦えればと思う」と、必勝のために全力を注ぐことを明言している。
また、同じく試合前日のオンライン会見に登場したMF汰木康也選手も、「僕もそうだし、他の選手もそうだと思うが、疲れは多少あると思う。でも、みんなすごいコンディションがいいなという印象があり、僕も身体が動いていてキレもあり、悪くない状態だと思うので、結果を残したい」と、連戦でのプレーにも気合い十分だ。
この試合では、ボールを保持して主導権を握ろうとするヴィッセルと、推進力の高さとハードプレス、豊富な運動量で対抗する湘南という図式が想定されるが、ヴィッセルとしては相手との走りあいの展開には持ち込みたくないところ。「（湘南は）勢いに乗ると止められないくらい、みんなで前に出てくるチームなので、主導権を握ることが一番大事。本当に前に出てくると怖いチームなので、そういう強みを出させないような、自分たちが優位にたってやりたいサッカーをできるようなゲームにしたい」と汰木選手。同じくプレスの強い鳥栖には、狙い通りのサッカーで勝利を収めただけに、そのいいイメージを引き継ぎたい。
川崎F戦では相手の攻勢に耐えつつも、後半には攻勢をかけ、ゴールチャンスも作ったヴィッセル。やはり、カギとなるのはゴールをいかに奪うかだ。「重要なことはチャンスを作り続けることだと思っている。川崎F戦ではゴール前での運というものがちょっと足りなかった試合だったが、ぶれずにチャンスを作り続けるサッカーをすれば、ゴールはおのずと入ると思う」とロティーナ監督。試合を重ねるごとにゴールへの形ができつつあるだけに、そこを決め切ることができれば、勝利への可能性は大きくなる。
