兵庫県加西市の県道145号線の上道山町のあたりを車で走っていると、ドライバーに注意を促す人形型立て看板「飛び出し坊や」が見えてきます。飛び出し坊やは結構どこでも見かけるのですが、この道を進んでいくと、あちらにも飛び出し坊や! こちらにも飛び出し坊や! はたまた飛び出しお嬢ちゃん! と、ビックリするほど次々に飛び出してくるんです。
看板はどれも手描きなようで、一体一体それぞれに表情も違いますし、なかには裏表で表情が異なる看板も。楽しげに企み顔をしている、いたずらっ子のような坊や。友達の元へと駆け出しているような、弾ける笑顔のお嬢ちゃん…。見れば見るほどに味わいがあります。
車から降りて辺りを見回してみると、曲がり角や民家、施設、駐車場のほかに、お店の出入り口など、ありとあらゆるところから飛び出してくる坊やとお嬢ちゃん。
その多さに驚いていた私の目に飛び込んできたのは、「飛び出し坊や」ならぬ……「鹿」?!
動物注意の道路標識は見たことがありますが、「飛び出し鹿」は初めて見ました。
個性豊かな看板たちの写真を撮っているところに、「なにしとぅ?!」と声をかけてくれたのは、20年ほど前に加西市交通安全協会の支部長を務めていた金沢牧博さんでした。
これらの立て看板が設置されるようになった経緯を伺うと……