コロナ後の外国人観光客受け入れ再開に向け、5月24日、試験的に実施する小規模ツアーの第1陣が始まりました。関西でも、コロナ禍前はインバウンドの増加で連日賑わいを見せていました。
いつの日かあの活気が必ず戻ってくると信じ、コロナ禍に試行錯誤しながらチャレンジをし続けてきたのが、兵庫県神戸市にある「GUEST HOUSE 神戸なでしこ屋」(以下、神戸なでしこ屋)です。
神戸なでしこ屋は、日本三大中華街の一つ「南京町」にたたずむ、女性観光客向けのおしゃれな宿泊施設です。
外国人も多く異文化交流も盛んなこの街で、2019年、インバウンド効果を見越して、もともとは外国人観光客に宿泊施設を提供する目的でオープンしました。しかし、オープンした矢先に新型コロナウイルスが流行。外国人観光客はもちろんのこと、日本人観光客すら宿泊の見込みが無くなり、神戸なでしこ屋の経営も急変します。
そんなピンチをチャンスに変えようと、豊かな発想で神戸なでしこ屋を支えたのがオーナーの池端浩美さんです。
宿泊前に近隣エリアを案内する「オンライン下見ツアー」や、1時間から利用できる「個室コワーキングスペース」の開設、パーティーや飲み会ができる「レンタルスペース」の開設などの企画は、どれも池端さんのアイデアで生まれました。
大学で「観光」を学び、神戸港で遊覧船の仕事に携わったのち、オーナーの交替を機に事業譲渡という形で業務を担うことになった池端さん。元々旅行が大好きで、世界1周旅行した経験が経営に生きていると言います。そんな池端さんに「神戸なでしこ屋」の現在について聞きました。
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――ビールの瓶がたくさん並んでいましたね?
1階では「旅するビールスタンド」と呼んで、海外を感じられる場所にしています。コロナで海外旅行に行きにくいので、少しでも行った気分になってもらえるように。昼は、南京町に遊びに来られた方が、けっこうビールを飲んでいかれますね。夜は、(近隣の)飲食店の店長さんが、お店が一息付いた頃に飲みに来られます。
――宿泊できる部屋のタイプは?