水泳ができない主人公が泳ぐ練習を通じて過去の悲しみを克服するまでを描く、ハートウォーミングコメディー。映画『はい、泳げません』が6月10日(金)、全国公開されます。
主人公は哲学を教える大学教授・小鳥遊(たかなし)雄司(長谷川博己)です。学生から慕われていて、哲学者として著書を出版するなど充実した生活を送っています。
ところが、彼には悩みがあります。それは、水が怖くて泳げないことです。子どもの頃から泳げなかったのですが、親戚のおじさんに漁船から海に放り込まれて以来、水への恐怖心をぬぐえなくなりました。
ある日、大学内に貼ってあったスイミングクラブのポスターを見て、水泳教室に足を運びます。
受付には、ポスターに写っていた女性コーチの薄原静香(綾瀬はるか)がいました。
「入会ですか?」(静香)
「はい、あ、いえ、あの、やっぱり最初なので見学だけ」(小鳥遊)
「入会動機……泳げるようになりたい?」(静香)
「ええ……」(小鳥遊)
「大丈夫。私が必ず泳げるようにします」(静香)
「ありがとうございます」(小鳥遊)
「そうだ、次のクラス、体験していったらどうです?」(静香)
「体験?」(小鳥遊)
小鳥遊は、静香コーチから初心者クラスの体験を勧められ、見学だけするつもりだったのがプールに入る羽目になってしまいます。
「もし僕が溺れたら、どうなりますか?」(小鳥遊)
「私が助けます」(静香)
静香コーチは自信満々です。小鳥遊は不安を抱えながら水着に着替えてプールサイドへ向かいます。一緒にレッスンを受けるのは小鳥遊よりずいぶん年上の主婦4人です。