兵庫県神戸市にある『神戸サウナ&スパ』(神戸市中央区)は、1954年に創業した老舗の温浴施設です。これまでの68年間に延べ1600万人以上もの人たちが利用。神戸はもとより、全国からサウナファンが訪れる“癒しの場”です。
人気施設の一つが「フィンランドサウナ」。フィンランドの湖畔をイメージしたサウナです。熱した石に水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」、白樺の葉(ヴィヒタ)で身を叩く「ウィスキング」でといった本場のフィンランド式が楽しめるとあって、全国から大勢のサウナファンが訪れてきました。(2022年5月8日、建替え工事のため利用終了)
神戸サウナのビルは、1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受け、倒壊の恐れがあると判断されたので取り壊しを決断しました。しかし、再開を願う街の声を受けて2年後に再建。フィンランドサウナはその時に作られました。以後、25年間休まずサウナファンの体を温め続けてきましたが、老朽化が進んだため改修工事を行うことに。現在、そのためのクラウドファンディングを、クラウドファンディングサイト「READY FOR」で進めています。
フィンランド式のサウナの魅力や改修に向けた思いを、神戸サウナ&スパ総支配人の津村浩彦さんに聞きました。
◆フィンランドのサウナ
複数のタイプがありますが、どれもタオルで仰ぐなどの派手なロウリュパフォーマンスもテレビもない、静かなサウナが主流だそう。自分をみつめる場所、心身に活力を与える場にもなっています。さらには、悩み事を打ち明けたり相談をしたりと、心を開いて話す社交場にもなっているとのこと。
“湖の国”でもあるフィンランドでは、郊外の湖畔に小さなサウナ小屋が設けられるケースが多数。湖畔の別荘に併設したサウナ小屋の中、自然の音だけがかすかに聞こえる空間で、汗を流しながら瞑想のひと時を過ごすのだとか。自宅にサウナを設置している家庭も多く、生活の一部になっています。