「本物の警察官のコスプレをする」「マッチングアプリで医者と偽る」←犯罪になる可能性も 弁護士が解説

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 YouTubeやTikTokなどのライブ配信には「投げ銭」というシステムがあり、視聴者がライブ配信者へリアルタイムで金銭を送ることができます。今年3月には、一日で2億円の投げ銭を受け取ったYouTuberも話題となりました。自分の「推し」に金銭を渡すことができるこのシステムですが、使い方によってはライブ配信者側が軽犯罪法違反となってしまう恐れもあるようです。森本弁護士曰く、「軽犯罪法の22号では、路上などで不特定の人に哀れみを乞い、同情心に訴えて、自己又は自己の扶養する者のために、生活に必要な金品の交付を求める『物乞い』を処罰すると規定しています」とのことです。

 実際に2015年、香川県高松市で「物乞い配信」をしていた男性が書類送検されており、路上だけでなく、ネット上で視聴者に金品を求める行為が軽犯罪法違反となったケースが発生しています。しかしながら、森本弁護士は「何かしらのパフォーマンスをライブ配信して投げ銭を求める行為は、配信者がその価値を提供し、その対価として支払われているため『物乞い』にはあたりません」と言います。ではどのようなライブ配信が物乞いとされるのでしょうか?

「高松市の男性のケースは『同情をかう行為』から物乞いとみなされた可能性があります」(森本弁護士)。すなわち、高松市のケースは、何の価値の提供もなく、ただ自分が可哀想な立場だとアピールをして金銭を要求したことが『物乞い』と認定されたのでしょう。さらに、香川県警から何度も注意されていたにもかかわらず、外に出て物乞いをしながら配信をしていたため、摘発に至ったと考えられます。

 実際に過剰な物乞いをする配信をしたとして、自宅内で完結させている場合には摘発される可能性は現状として低いでしょうが、それが軽犯罪にあたる恐れがあることは念頭に置いた方が良いでしょう。

(3)太ももを露出すると犯罪になる!?

 不特定または多人数が認識できる状態で局部を露出するなどした場合は、刑法の公然わいせつ罪となりますが、その程度に至らない露出行為を処罰する規定が軽犯罪法で定められています。森本弁護士によると、「軽犯罪法の20号では『公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者』を処罰すると規定しています」とのこと。

 尻だけでなく、「太もも」の露出も軽犯罪法違反になるとは驚きです。太ももを露出するファッションは当然のように存在し、摘発された、などと聞いたことがありません。「軽犯罪法は1948(昭和23)年にできた法律であり、その当時の価値観では、太ももの露出が『嫌悪の対象』と捉えられていたという背景があるかもしれません」と森本弁護士。結局、公衆に「けん悪の情を催させる」かどうかの判断は、その時代ごとの価値観をもってするしかありません。

 この20号が適用されたケースもあります。2017年に、タクシーの車内でズボンを膝まで下ろして尻を出したまま女性の乗客を乗せて運転したとして、京都府警は軽犯罪法違反容疑で、大津市に住むタクシー運転手の男を書類送検しました。ズボンを下ろしていたものの、後部座席の女性客からは太ももと尻しか見えなかったため、公然わいせつ罪ではなく、軽犯罪法違反容疑が適用されたということです。

 この例は非常に特殊なもので、現代において太ももを露出するファッションをしたところで「けん悪の情を催させる」ことはほとんどないでしょうから、軽犯罪法が適用される可能性は限りなく低いと考えられます。「そういう法律があるんだ」と軽く知っておくくらいで問題ないでしょう。


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