沢の鶴がヤンマーとタッグ 6年越しの酒米プロジェクトの集大成 新しい日本酒を発表 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

沢の鶴がヤンマーとタッグ 6年越しの酒米プロジェクトの集大成 新しい日本酒を発表

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 兵庫県の神戸市や西宮市を中心に酒蔵が点在するエリア「灘五郷」は日本有数の酒どころとして知られています。その「灘の酒」を代表する酒造メーカーの1つで、神戸市灘区に本社をおく沢の鶴株式会社が、6年越しのプロジェクトの集大成となる日本酒を完成させ、6月1日にその新商品発表記者会見を行いました。

 新しいお酒は、純米大吟醸酒「沢の鶴 NADA88」です。さて、このお酒、いったい何が「新しい」のでしょうか。

純米大吟醸酒「沢の鶴 NADA88」

 このお酒は、沢の鶴と産業機械メーカーのヤンマー(ヤンマーホールディングス株式会社、本社:大阪市北区)が共同で取り組む、「酒米プロジェクト 開発商品第4弾」として発表されました。

「酒米プロジェクト」とは、2016年3月にスタートした「新しい酒米を作る」プロジェクト。もともとは米屋からのスタートで、米にはひとかたならぬ思いのある創業305年の沢の鶴と、営農(農業経営)や先進的な開発技術はトップクラスのヤンマー。この2つの企業が、「一緒に新しい酒米をつくろう」と協力し、同プロジェクトが発足しました。

 そして、開発された新しい酒米の名前は「OR2271」(品種登録出願中)。有名な酒米の「山田錦」と比べると、稲の丈がやや短く倒れにくいため、農家にとっては栽培しやすい米だといいます。また、酒づくりに欠かせない、米の「心白」(米の中心の白く濁っているもの)の部分が大きく、削りの部分が少なくてもおいしい日本酒が作れるのも特長の1つ。さらに、成分的にはたんぱく質と脂肪が少ないため、雑味が出にくく、酒造りに適したお米になるそうです。

 このプロジェクトでは、2018年に「沢の鶴X01」、2019年に「沢の鶴X02」、2020年「沢の鶴X03」と、3種類の日本酒がすでに発売されています。そして今回、新たに発表されたのが、新しい酒米で醸したプロジェクト第4弾の「NADA88」です。

 米という漢字を分解すると「八十八」。米の栽培や酒造りには「八十八の手間がかかる」と言われています。灘の地で、米にこだわり続ける熱い思いを込めた、ストレートなネーミングです。

 この新商品は、スマートなパッケージにも注目が集まります。ちなみに過去に発売された「X01」と「X02」のパッケージは公益財団法人日本デザイン振興会によるグッドデザイン賞を受賞。今回のボトルも、米にこだわるというコンセプトがとてもスタイリッシュに表現されています。

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