2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は9日、大阪市内で開いた会見で、会場の人工島・夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)へのアクセスを円滑にするための「来場者輸送基本方針」を発表した。 大阪府・大阪市、兵庫県・神戸市、鉄道、バス、高速道路など交通事業者などでつくる輸送対策協議会が策定したもの。
◆ピーク時には1日あたり最大28.5万人の来場予想
大阪・関西万博は、2025年4月13日~10月13日まで(184日間)の期間中に2820万人が来場し、ピーク時には1日あたり28万5千人が来場すると見込まれている。
万博が開催される大阪・関西地域は、多くの交通インフラが日常の交通を支えているものの、平日の通勤・通学時間帯などで渋滞や混雑が生じている。これに万博会場への交通アクセス利用が加わると、渋滞や混雑が生じる区間や時間帯(季節も)が広がる可能性がある。こうしたことから、開催期間中は一般の交通と万博会場への交通、それぞれが安全で円滑な輸送をめざす。
協議会では、ピーク時の1日あたり来場者28万5千人の内訳を、▼鉄道11.8万人(41%)、▼シャトルバス6.2万人(22%)、▼自家用車・タクシー・団体バスなど自動車10.5万人(37%)に分散できると想定した。
◆ラッシュ時の混雑率、150%以下を目標に
主な鉄道路線では、最寄りの新駅「舞洲駅(仮称)」まで延伸して万博会場に直結する大阪メトロ中央線や、同線に接続する御堂筋線などで大きな混雑が予想される。中央線の場合、コロナ禍以前ならば78%(2019年交通調査)だが、対策を取らない場合、朝のラッシュ時の混雑率が186%(乗客どうしの体が触れあい圧迫感を感じる)に達すると予測。そこで朝のラッシュ時の混雑率は150%以下(新聞紙を広げて楽に読める状態)を目指すとした。
◆大阪メトロ・中央線ダイヤ、ピーク時に増発