「どこまで補修するべきか」。費用の問題が横たわる。マヤカンは、戦争に加えて阪神・淡路大震災も経験し、台風の被害にも遭ってきた。ガイドウォークでは、現在、安全性を考慮して建物内に入るのは控えている。しかし、これまでの取り組みで“遺産”としての価値・需要が掘り起こせたことを背景に、将来、一部を補修して見学できるようにする可能性もあるという。
廃墟とされる建造物は各地に存在する。所有者にとっては、管理の問題をはじめ、負の側面が大きいのが現実だ。だが、マヤカンのように、活用の仕方次第では需要が生じるのも確か。金銭面の環境を整えていくことができれば、遺産として引き継いでいく道を見出せるかもしれない。
【摩耶山・マヤ遺跡ガイドウォーク】
月に1回実施。今年度はこれまで金曜に開催。予約は公式サイト内の申し込みフォームから(電話やメールでの申し込みは不可)。受け付け開始は開催日の3週間前。詳しくは「摩耶山ポータルサイト mayasan.jp」内、公式ページで確認できる。
(取材・文=たかやまそら)