先日、電話をしていた時のこと。「今、お時間大丈夫ですか?」「はい、大丈夫です」。
んー? 何が「大丈夫」なんだ? やはり何だか変だ……。皆さんも普段から使っていませんか?
「大丈夫」。
『広辞苑 第七版』(岩波書店)によると、「大丈夫」とは……
「(1)立派な男子。(2)しっかりしているさま。ごく堅固なさま。あぶなげのないさま。(3)間違いなく。確かに。(文中一部省略)」とありました。何ということでしょう、あてはまる意味がどこにもありません。
これでいくと、普段の私たちの会話は……
「今、お時間『立派な男子』ですか」「今、お時間『しっかりしていますか』」「今、お時間、間違いないですか」 となってしまいます。(極端な表現ですみません)
私たちは普段の会話のなかで、まわりの人たちと、「同じ感覚」を自然に身につけています。「大丈夫」という言葉も、「体、大丈夫?」と言われると「体調は問題ないですか?」などの意味について問われたと、いつの間にか変換されて、通じる力を持つようになっています。しかし、これだけ本来の意味から離れると、何が原因でこうなっていったのか、とても気になります。
『新明解国語辞典 第八版』(三省堂)を開きました。
大丈夫「金銭の誘惑に負けたり権威に屈したりしない、志の高い男子」。
やはり同じような意味か…と。その隣にも「大丈夫」の文字。読んでみると……