パソコンやスマートフォンなどの普及で、文字を書く機会がどんどん減っていると感じる一方、コロナ禍で手紙の人気が高まり、万年筆などの需要が増えているそうです。筆者は提出書類に記入する時くらいしか文字を書く機会がなく、“人気”と言われても、手紙を書く機会はなかなかないのですが、一方で文房具に対する所有欲はあり、定期的に最新の文房具をチェックしに生活雑貨店に足を運んでいます。
あなたは、お気に入りのボールペンを見つけて愛用していたのに、インクがまだ残っているにもかかわらず書けなくなってしまった、という苦い経験をしたことはないでしょうか? 同じ失敗を繰り返さないように、ボールペンが使えなくなる主な理由を、総合筆記具メーカーである「パイロット」の広報に聞いたところ、2つの「NGな書き方」があることがわかりました。
まず避けたい書き方は、『上向き筆記』です。ペン先を水平より上に向けて筆記すると、インキが重力により後ろ側に引っ張られ、ペン先から空気が入り、書けなくなる可能性があるそうです。必ずペン先が水平より上を向いていないか確認したうえで、筆記する方がよさそうです。
次に注意すべきなのが『寝かせ書き』です。紙によっては、ペン先で紙の表面の繊維や薬剤を削りとってしまい、それがペン先を詰まらせることがあり、寝かせ書きはその大きな原因とのこと。ボールペンで書くときは、筆記に適した紙を使うことがまず重要。その上で、ペン先を「60度以上」に立てて書くことに気を付けると、結果的に長く使えそうです。「書く角度」まで気をつけたことはありませんでした。
では、出なくなったボールペンを復活させる方法はないのでしょうか? 聞いてみましたが、「一度書けなくなったボールペンを復活させる方法はありません」ということでした。インターネット上には様々な情報が出ていますが、メーカーとしては推奨していないそうです。ただし、フリクションペン(消せるボールペン)に関しては、冷蔵庫の冷凍室に一晩入れたままにして、取り出した後、室温で2〜3時間自然解凍した後に復活する可能性がある、と案内しているそう。これは知りませんでした!
また、インキは生ものです。製造から何年も経ったインキは変質・劣化してしまうそうで、使用の目安は、油性が製造から3年、水性(ゲル)は2年が使用の目安。引き出しの奥に眠っていたボールペンがなかなか使えないのも納得です。
ところで、ボールペンのキャップをよく観察すると、先端に複数の小さな穴が開いているものがあることに気が付きました。ペン先が乾燥し、インクが出ないことにつながるのではないかと心配しましたが、中には、芯そのものに乾燥を防ぐ機能を備えているものもあることから、過度な心配はいらないようです。では、この穴は一体何のために開いているのでしょうか?