初夏を迎えたなか、各地の港に水揚げされているのは、今が旬の春しらす。その場で塩ゆでした釜揚げしらすや、しらす干し、ちりめんなどに加工されるが、この春に水揚げされたしらすを使ったものは「新物」として人気が高い。
兵庫県の淡路島で水産加工などを手掛ける「J・factory淡路屋」でも、淡路沖でとれた新鮮なしらすを使った「ちりめん山椒」作りが最盛期を迎えている。
水揚げされたばかりのしらすを生の状態から炊き上げ、砂糖、しょう油、みりんでシンプルに味付けし、山椒でさわやかな香りとピリッとした辛味を加えている。
近年、見た目の光沢などを意識して、水あめなどでコーティングする企業も多いといわれるなか、J・factory淡路屋では、昔ながらの家で炊いたような素朴で懐かしい味を追求。今年のしらすは近年のしらす漁同様にやや出だしが低調だったが、現在は安定して水揚げされており、一匹一匹の質も良いという。
J・factory淡路屋の担当者は「職人がこだわって炊き上げた逸品。あたたかいご飯と一緒に楽しんでほしい。珍しい食べ方としてはコロッケに入れると甘辛さがアクセントになっておいしい」と話す。
神戸市須磨区にある産直市場「ナナ・ファーム須磨」でも今年からJ・factory淡路屋の新物「ちりめん山椒」を入荷。自宅用として、お土産用として、多くの利用客に購入されているという。値段は150グラムで税込み680円。
■ナナ・ファーム須磨
兵庫県神戸市須磨区外浜町4-1-1
電話 078-733-7722
※店舗ごとに営業時間や定休日が異なるため、詳しくはナナ・ファーム須磨の公式サイトを参照