2021年、芸術と観光が学べる公立大学として兵庫県豊岡市に開学した「芸術文化観光専門職大学」。その学長であり、劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)に、同大学2年の高木沙羅々さんが出演。充実の学生生活を語った。
高木さんは大阪育ち。高校卒業後は、生誕地でもあった広島で1年間、社会人を経験した。ちょうどその頃、平田さんの著書『22世紀を見る君たちへ』を読み、芸術文化観光専門職大学が開学することを知る。演劇に興味があり、広島を元気にしたいという思いもあった高木さんは同大学を受験。晴れて合格し、現在は3つのサークルを掛け持ちしながら学内のプロジェクトにも積極的に参加するなど、充実の日々を送っている。
同大学では年に2回、国内外一線級のアーティストが携わり、学生と共にダンスや演劇などの舞台作品を創作する「CATパフォーミングアーツプロジェクト(PAP)」を展開。高木さんは、これまで行われた2回の公演にそれぞれ俳優・スタッフとして参加した。
「第1回(演出:平田オリザ氏)は、“台本”というある程度の土台があったうえで俳優として参加しましたが、第2回(同:多田淳之介氏)では台本が無く、昨日あったものが今日はなくなっている、なんてこともしばしば。衣装部や照明部、俳優などをつなぐマネジメント部として、相手の話に共感しながら提案するなど配慮しました」と当時を振り返りつつ、「何が不安で何がわからないのかが『わかる』、お互いの『当たり前』が違うということが分かりました」と収穫を語った。
平田さんに「1年生の印象は?」と聞かれた高木さんは「キラキラを通り越して『ギラギラ』してる(笑)」と回答。同期についても「日本全国から、俳優志望だけでなく観光を学びたい人も(集まって)いて、誰と話をしても違う視点があっておもしろい」と顔をほころばせた。
平田さんは、2年生に対して自身初の試みとなる授業『演劇入門』を担当。学生と一緒にディスカッションしながら、毎週間際まで資料作りをしているそう。
「高木さんたちの代も相当ギラギラしていましたが(笑)、じつは我々教員も緊張していた1年でした。2年生も入学し、大学の『文化』がこれからできてゆく。楽しみですね」と、2年目を迎えての安堵と展望を明かした。
※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2022年6月16日放送回より
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp