日本の国蝶で準絶滅危惧種の「オオムラサキ」が、兵庫県川西市で6月、相次いで羽化している。(※画像は環境カウンセラー・石津容子さん、川西市提供)
2008(平成20)年に「にほんの里100選」に選ばれ「日本一の里山」と称される川西市猪名川流域・黒川地区で、川西市在住の環境省・環境カウンセラー、石津容子さんが”里山を博物館に”をテーマに約25年前から水生生物を調査研究している。また、流域の環境を守るため市民団体「身近な自然とまちを考える会」 を立ち上げ、 里山や水辺の観察会を企画・運営するなど自然環境保全の啓発に取り組む。
そして、2017(平成29)年から近隣の川西市立明峰小学校で、3年生の子どもたちとともにオオムラサキを飼育し、自然との共生を考える学習を始めた。
現在、明峰小学校の校庭の一角にあるケージの中にはオオムラサキのサナギ8頭と幼虫1頭が生息し、今年は6月10日に1頭、13日に2~3頭目、14日に4頭目が羽化した。 羽化は例年より1週間ほど早いという。
オオムラサキは、沖縄を除く全国に生息する。タテハチョウ(立羽蝶)科のチョウでは最大級とされ、華麗で風格もある。 羽を広げた大きさは約10センチにもなる。オスは羽の付け根あたりから半分が青紫色をしており、白い斑点(まだら)模様があるのが特徴。対照的にメスの羽は赤茶色をしている。
1956(昭和31)年、75円切手の図案に採用されたことから、日本昆虫学会が1957(昭和32)年に国蝶とした。