ロレックスはなぜ定価で買えない? 需給のバランス崩壊、“異例”の公式コメントまで出る事態に… | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ロレックスはなぜ定価で買えない? 需給のバランス崩壊、“異例”の公式コメントまで出る事態に…

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 あるロレックスの正規店に勤める販売員に話を聞きました。「そもそもコロナ禍で入荷が減っていて、ひと月に1本も入ってこないモデルもあります。それを求めて、1日に数回の来店を毎日続けている人もいます。ですから、入荷した途端に売れてしまうことがほとんどで、ショーケースに並べることすらできません」。

◆相次ぐ「転売」がもたらす、二次流通市場における価格の高騰

 純粋な心でロレックスを求める人がいる一方、「転売目的」で購入する人は後を絶ちません。販売員は、「特定のモデルは一定期間に1本までしか購入できませんよ、というルールを作るなど、対策をとっているのですが、根本的な解決には至っていません」と現状を憂います。具体的に見てみましょう。

 RYさんは前述のサブマリーナーを約70万円で購入したそうですが、2022年6月現在、市場では2倍以上のプレミア価格で取引されています。中には、買った時計をそのまま売りに行ったとして、数百万円の利益が出るものまであります。人によっては、目の前に高々と積み上げられた札束が置いてあるのと同じ、ということです。

 こうした状況を受け、ロレックスが、「需給のバランスが崩れ、在庫がない。これはまさに、“パーフェクト・ストーム”(異常事態)だ」という、「異例」ともいえる公式コメントを出すに至っています。ロレックスとしては、供給量を増やしたい思いはあるものの、工場を新設したり、職人を新たに育てたりといったことは一朝一夕では成しえません。

正規店の店先に長蛇の列を作る購入希望者(6月16日撮影=画像の一部を加工しています)
正規店の店先に長蛇の列を作る購入希望者(6月16日撮影=画像の一部を加工しています)

 実は、このような流れは、世界三大ブランド(パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタン)にまで及んでいます。ロレックスと同様、特定のモデルに人気が集中し、店頭にはほぼ何もなく、予約も出来ません。

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「純粋に腕時計を楽しみたい、と思っている人が買えないのは、つらい状況です」とRYさん。この「高級腕時計バブル」ともいえる状況が終わるときは、「需給のバランスが健全化されるとき」と言いますが、「それは難しいのでは」と付け加えます。

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