ディレクターやミキサーなど裏方スタッフは、原因として機材のトラブルや操作ミスなどを想像して恐怖を感じますが、アナウンサーやパーソナリティは、また違うという話を聞きました。
とあるラジオパーソナリティは、新人時代は「幽霊よりも無音が怖い」と思っていたそう。新人時代、スタジオに一人で入ってカフ(マイクのオン・オフを操作するレバーやスイッチ)を上げたとたん、自分が誰かもわからないぐらい、緊張して頭が真っ白に。時間が余って焦る気持ちの中で、とにかく無音にならないように、窓の外の景色をひたすら言葉にしたり、「次はJINGLE(番組やお知らせの合間に流す短いサウンド)をお聞きください」と口走ってしまったりしたこともあるのだとか。
また、ニュースコーナーを担当していた別のアナウンサーは、流れるはずの音源素材が機材のトラブルで流れず……かと言って、「ニュース」の時間のためフリートークを繰り広げるわけにもいかず、必死に「天気情報」などを繰り出して時間を“つないだ”のだそう。この時ばかりは、ブースの外のスタッフもてんてこまいだったということでした。
面白いエピソードですが、ラジオ関係者には笑えない話です。スタジオにいると、数秒の時間がものすごく長く感じられるものです。放送現場では、裏方スタッフと出演者が日々、音と“信頼”をつないでいます。
※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』 2022年6月19日放送回より
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ラジオ関西技術センターがお送りするこの番組で、あなたの質問が読まれるかも……!
興味がおありの方は、番組にハガキでおたよりください。お待ちしています。
宛先⇒ 〒650-8580 ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』係
【放送音声】2022年6月19日放送回