匿名で子どもを預かる「赤ちゃんポスト」から赤ん坊を連れ去って売り飛ばす男たちと子どもの母親が、いっしょに里親を探す旅をする物語。映画『ベイビー・ブローカー』が6月24日(金)、全国ロードショーです。
小さなクリーニング店の店主サンヒョン(ソン・ガンホ)は、借金に追われる生活を送っています。サンヒョンには裏稼業があります。「赤ちゃんポスト」がある施設で働くドンス(カン・ドンウォン)といっしょに、ポストに届けられた赤ちゃんを密かに売る“ベイビー・ブローカー”をしているのです。
ある夜、若い女ソヨン(イ・ジウン)が赤ちゃんポストに赤ん坊を預けました。2人は赤ん坊をこっそりと連れ去り、記録カメラの映像を消去して証拠隠滅を図ります。
翌日、赤ちゃんをポストに預けたソヨンが考え直し、施設に戻ってきます。子どもの名前はウソン。ソヨンは自分の子どもが居ないのを不審に感じ、警察に通報しようとします。そこで、サンヒョンとドンスは「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」と釈明します。
サンヒョン「誘拐だなんてそんな……」
ドンス「養父母探しだ」
サンヒョン「最高の養父母を探します。もちろんお礼はしますから」
ソヨン「ただのブローカーでしょ……私もいっしょに行く」
サンヒョンは、子どもを欲しい家族に売るのはウソンのために温かい家庭を見つけようという善意だ、と主張します。若い母親ソヨンは、ウソンの養父母を探す旅へ出かける2人に同行することにします。
ドンスは児童養護施設出身で、自分も親に捨てられたことからその痛みをよく理解しています。優しい性格でソヨンを気づかいますが、ソヨンは心を固く閉ざしていて、なぜ子どもをポストに置いたのか、どうしてすぐに戻ってきたのか明らかにしません。