木でできたピン“スキットル”を、同じく木製の棒“モルック”を使って倒し、その点数で競うスポーツ「モルック」。
フィンランドの福祉会社が1996年に開発したゲームで、フィンランドのカレリア地方で古くより伝えられてきた「kyykkä(キイッカ)」というゲームが元になっています。
日本でもメディアに取り上げられたり芸能人プレイヤーがいたりと、競技人口が増えつつあるモルックですが、兵庫県川西市が、いま「モルックの聖地」として注目を浴びています。
そこで、川西市でモルック大会を開催し、普及活動に力を入れる「川西モルックの会」の会長、中(なか)博司さんに話を聞きました。
なぜ日本の川西市が、北欧のスポーツであるモルックの聖地とされているのかが気になるところ。じつは、川西市満願寺町の満願寺には、「金太郎」のモデルとされている坂田金時のお墓があります。そのお墓の前にあるヒノキがスキットルの形に似ていることから、プレイヤーを中心にゲン担ぎの場所としても知られていくようになりました。
そんな川西市で2019年に「川西モルック会」を立ち上げた中さん。運営の5人と選手メンバーの2人にくわえ、毎月の大会や体験会などによく参加するプレイヤーが50人ほどいるそう。
「僕の本業は刻印屋(木材に刻印する仕事)なのですが、たまたまモルック選手から『モルック棒に刻印してほしい』と依頼されました。それ以降、モルックにどっぷりとハマり、ことあるごとに練習するように。そのうちに、モルックに関する問い合わせや『体験会をしてほしい』などの声が寄せられるようになり、会を立ち上げました」(中さん)
「活動を発信することで、より多くの人たちに活動を知ってもらえたら」という気持ちから、SNSやメディアでの発信を続けてきたモルックの会。初心者でも参加しやすい「キセラモルック体験会」や「満願寺モルック練習会」、個人戦の大会「川西モルック合戦」などを開催してきました。